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立川志の輔の独演会を見に行った

5月29日に町田市民ホールで行われて立川志の輔の独演会を見に行ってきました。志の輔の落語を生で聞くのは二回目になります。

開演時間が18時30分でしたが、開演までに町田市民ホールに着くことができず、町田市民ホールについたのは18時55分くらいでした。前座も終わり志の輔がすでに高座に上がり、枕を話し始めたところでした。志の輔はなぜか釈台を前にして話していました。脚でもケガしたのかと思いましが、噺が進んでいくとなぜ釈台を使っているのか、なんとなく分かりました。

この日のネタは『大河への道』という江戸時代に日本で最初の日本地図『大日本沿海輿地全図』を作った伊能忠敬を巡る噺でした。大河ドラマ『龍馬伝』に湧く、長崎を志の輔が訪れるところから始まり、伊能忠敬記念館を訪れた噺から伊能忠敬の人となりの説明に入り、このまま地噺でいくかと思っていたら、千葉県の伊能忠敬を大河に主人公に推すプロジェクトになり、さらに伊能忠敬の死から『大日本沿海輿地全図』の完成までの物語に繋がりって行くという、壮大な新作落語でした。2時間仲入りなしのノンストップというのも驚きました。

正直、枕から地噺的な部分は少々退屈しましたが、伊能忠敬を大河に主人公に推すプロジェクトの噺から志の輔独特の新作落語の世界が広がり、『大日本沿海輿地全図』の完成を巡るエピソードの前半は滑稽噺的な感じで始まり、後半は重厚な展開になっていくところには舌を巻きました。

噺が重層構造になっていているところは、『インセプション』やエンジエル・ウォーズ』みたいで、伊能忠敬が全く登場しないところは『桐島、部活やめるってよ』みたいな感じもしました。何年、何十年もかけて一つの事に打ち込むところは『舟を編む』の用な感じもしました。さらにメタフィクション的な要素もあり、従来の落語と言う枠には収まりきらない噺になっていました。

最後に志の輔自身による解説や噺の途中で伊能忠敬がいかに落語に向かない人物かという噺があり、伊能忠敬をどう落語で表現するかと悪戦苦闘しているうちにこんな噺になってしまったのではないかと思います。談志は「落語は人間の業の肯定」とい言っていました。「人間の業」とは人間のどうしょうもない部分のことで、古典落語の名作に出てくる人物のほとんどは常識を欠く困った人物ばかりです。

それに対して伊能忠敬は勤勉で勉強熱心で本当に聖人みたいな人で、吉原にはとても行きそうな感じがします。ちょっとネガティブな言い方をすると「人間味にかける」感じの人物ですね。

落語が終わった後に舞台のスクリーンに日本の海岸線の空撮の画像が映し出され、現在の日本地図に『大日本沿海輿地全図』が重なるという映像で終わりました。BGMはサディスティック・ミカ・バンドの『黒船(嘉永六年六月四日)』でした。まさか、志の輔の落語会でミカ・バンドを聞くとは思いませんでした。噺の中で「黒船が来る前の技術で」と何度となく言われていました。

20018年は伊能忠敬没後200年に当たるそうです。さーて、大河ドラマの主人公はだれになるんでしょうね。
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