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柳家喬太郎の『国民ヤミ年金』を聞いた

柳家喬太郎のCD『柳家喬太郎落語秘宝館 別館』に収録されている 『国民ヤミ年金』を聞いてみました。新作落語です。

詐欺や恐喝といった罪で収監されている男に、ある男が面会にやって来る。面会は刑務所の所長室で行われた。面会にやってきた男は政府関係者で収監されている男にある仕事を依頼する。刑務所を超法規的処置で出獄した男は安アパートに住むある若夫婦の所に向かい仕事に取りかかった。その仕事とは国民年金の取り立てだった。というお話。

政治家の年金未納が問題になったのは2004年で、問題このCDの発売は2004年の10月です。当時の小泉首相が国会で「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ」と答えていたのはこのときです。

国民年金の未納者の家に直接訪問し、年金を取り立てるというやり方が少々荒っぽくて荒唐無稽な感じもしますが、落語なのでこのくらいのデフォルメでも聞いている分にはさほど気になりません。逆に喬太郎のドスの効いたセリフにリアリティがあり、本物の闇金の取り立てのように聞こえます。残念ながら私は本物の闇金の取り立ては受けたことはないんですけど。

若夫婦の呑気で間抜けなキャラも笑えます。年金を取り立てにやって来た男を新聞勧誘と間違えて新聞なら東スポを取っていると答えるところが特に良いですね。ちなみに東スポは宅配もやっています。旦那がリストラされ、アルバイトで食い繋いでいる間に厚生年金から国民年金に切り替わって、未納期間ができたという設定は非常に現実的です。奥さんは吉原に、旦那はマグロ漁船に売られるというところはかなり強引ですが落語なのでOKです。細かいことを言うとカムチャッカでは鮭やカニは獲れてもマグロは獲れないんじゃないかと思います。

男の働きによって国民年金の未納が劇的に減り、料亭で宴会が開かれている所のどんでん返し的なサゲも良かったですね。

マクラでテロリストが日本でテロを起こすなら、政府の組織で人が集まっている所として国立演芸場を狙うという話も笑えました。ネタにマジレスすると国立演芸場は最高裁判所や国会も確かに近いのですが客席数は300席しかありません。

犯罪者がその腕を買われて権力の側に協力するという話としては映画『ニューヨーク1997』や漫画の『ワイルド7』が浮かびます。これから公開される『アメリカン・ハッスル』も天才的な詐欺師がFBIの捜査に協力し政治家の汚職を暴くという話しで、しかも実話だそうです。クリスチャン・ベール、ブラッドレイ・クーパー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンスといった人が出ています。70年代の話で髪型や服を見ると『アルゴ』に似た雰囲気があります。『アルゴ』も嘘の映画をでっち上げてイラン人を煙に巻く話でした。


柳家喬太郎落語秘宝館 別館

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