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『It’s Show Time「ざぶとん」と「おたまじゃくし」』を聞いた

『It’s Show Time「ざぶとん」と「おたまじゃくし」』は春風亭昇太の落語家生活30周年を記念して2012年にリリースされたCDです。ちょっと落語のCDとは思えないタイトルですが、内容も普通の落語のCDとは違います。

オープニングテーマの 後には落語ではなく、『城好きの人』という昇太の歌が収録されています。昇太自身の作詞で、作曲とプロデュースは元ムーンライダーズの岡田徹、ナレーションは柳家喬太郎が勤めています。ミディアムテンポでちょっとアダルトな雰囲気のある曲で、ムード歌謡的なものを狙ったように聞こえます。昇太の年の割に甘くて甲高い声が心に響きます。城好きである自分自身を揶揄した歌詞も素敵です。

『吉田さんのソファー』は新作落語です。栗コーダーカルテットが生で昇太の落語の後ろで演奏しています。古典落語では演目によって三味線や太鼓が後ろで演奏するものもありますが、新作でしかもウクレレやリコーダーをバックに落語やるのはかなり珍しいスタイルです。 『吉田さんのソファー』の最後のどんでん返しにはやられました。昇太の新作落語は基本的に呑気な噺ばかりなので、気楽な感じで聞いていたら、最後に急に重たい展開になり、ちょっと鬱なエンディングに驚きました。鬱なエンディングですが、昇太の口調には過剰な演出はなく、淡々していて、栗コーダーカルテットも栗コーダーカルテットらしい演奏です。

『吉田さんのソファー』のストーリーを簡単に説明するとは中小企業の経営者だった吉田さんが見た自分に都合の良い最後の走馬燈というか夢ですね。そこに『シックスセンス』や『ミッション: 8ミニッツ』みたいなエッセンスを加えた感じです。昇太の『人生が二度あれば』も同じように後味がちょっと悪い新作落語でした。全体的には笑える滑稽話で最後の最後に毒を仕込む、昇太もなかなかの策士です。

『ダンシング・セブンティーン』と『バンバンバン』はまた歌です。『ダンシング・セブンティーン』はオックス、『バンバンバン』はスパイダースのカバーです。名義は春風亭昇太ではなくザ・フルーツです。ザ・フルーツの正体は昇太と六角精児、中島淳彦、井之上隆志です。

今は亡きSWAのメンバーによる『春風亭昇太しりとり』の後に新作落語『リストラの宴』が収録されています。お互いにリストラに怯えるサラリーマンの上司と部下がギクシャクした会話を繰り広げる噺です。正直、この噺はあまり完成度は高いとは思えません。この噺には栗コーダーカルテットは参加していません。最後におまけで『城好きの人』のカラオケが入っています。『城好きの人』はけっこう耳に残る曲でiPodでも聞いています。

It’s Show Time「ざぶとん」と「おたまじゃくし」

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