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『俺はまだ本気出してないだけ 1』を読んだ

青野春秋の漫画『俺はまだ本気出してないだけ 1』を読んでみました。

この漫画については以前、ラジオか雑誌で話題になっていたので、タイトルだけは知っていました。図書館で偶然みつけたので読んでみました。

41歳の大黒シズオが主人公。シズオは15年間なんとなくサラリーマンとして働いきたが、自分探しのために突然、会社を辞めてしまう。そして、なぜか漫画家を目指して漫画を描き始めるというお話。シズオと父親と高校生の娘の鈴子と3人の暮らしを中心にシズオがアルバイトとして働いているハンバーガー屋の話やシズオの同僚だった宮田の話を挟みながら話はダラダラと続いていく感じです。

シズオは坊主頭にメガネに無精ヒゲという典型的な中年オヤジ風貌で、実写化するとしたら杉作J太郎が適任かと思います。シズオが説得力がありそうでなさそうな話をするところも杉作J太郎に似ているような気がします。そう言えば杉作J太郎は漫画家でした。

『俺はまだ本気出してないだけ』というタイトルは唐沢なをきの『まんが極道』の中にも似たようなサブタイトルのエピソードがあったような気がします。『俺はまだ本気出してないだけ』と『まんが極道』は漫画家を目指す人が主人公である所は共通していますが、『俺はまだ本気出してないだけ』のシズオの場合は特に以前から漫画に特別な思い込みがあるわではないところが『まんが極道』の登場するキャラクターとは大きく違います。

シズオが自転車で転んで頭にケガをしてネットを被っている姿を見て、爺さんが「フルーツのマネかその頭は?」というシーンは笑いました。伊丹十三がヤクザに襲撃され、頭にケガをしてネットを被っている姿を見たナンシー関が「マスクメロン」と書いていのを思いだしました。

シズオの夢のなかに登場する「カミ」と書かれたTシャツを着ているキャラクターもいいですね。年格好はシズオと同じくらいで、ステレオタイプの神様じゃないところが味わい深いですね。シズオと取っ組み合いのケンカをして、最後はお互いに「ごめん」と謝って、引き分けになるシーンはグットと来るものがありました。

この漫画は『男はつらいよ』とか相田みつお的な「大人のメルヘン」みたいな世界に少し足を踏み入れそうになっています。読む人によっては既にそんな風に捉えているかもしれません。確かにシズオが朝からPS2のゲームをやって爺さんに「朝からファミコンなんてやめろ」と怒鳴られたりするくらいはまでは微笑ましいですが、ヘルスで娘に出くわしたり、布団の詐欺にひっかかって借金を抱えて、AVに出たけどギャラは踏み倒されて自殺しそうな若い女に出会ったりする特別編の『生きる』はけっこう生々し感じで描かれています。『生きる』のユキコは面影ラッキーホールの歌に出てきそうな女にも見えます。しかし、面影ラッキーホールに出てくるような女はシズオのような男とは出会わないと思う。

俺はまだ本気出してないだけ 1 (IKKI COMICS)
俺はまだ本気出してないだけ 1 (IKKI COMICS)

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