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『キック・アス』を読んだ

マーク・ミラー原作、ジョン・ロミータ・Jr作画によるアメリカン・コミック版の『キック・アス』を読んでみました。

映画版の『キック・アス』ゴールデンウィークに早稲田松竹でやっていいたので、また見てしまいました。あまり意味のない空撮による夜景のカットが場面転換で何回かはさまったり、音楽のフェイドイン・アウトが意外に雑だったり、2回見るとちょっと粗というかほつれみたいな部分が気になりました。でも、基本的に楽しい映画でした。

アメコミ版の『キック・アス』は図書館で偶然、見つけました。最近の図書館は場所によっては漫画が普通においてあったりします。しかし、アメコミは初めて見ました。ちなみに私はアメコミを読むのは今回が初めてです。

左開きで横書きの吹出しにはさすがに最初は戸惑いました。でも、慣れるまでにはそれほど時間はかかりませんでした。当然ながらオールカラーという点もアメコミならではですね。アメコミはグラフィックノベルとも呼ばれています。

話の流れは基本的に映画版とほとんど変わりません。大きく違うところは、デイヴ(キック・アス)が自分は本当はゲイではないとケイティに告白するとあっさりと振られるところとビッグ・ダディの正体といった点です。

アメコミ版と映画版の大きな違いはビジュアルイメージです。キック・アスのコスチュームはそれほど違いはありませんが、ヒット・ガール、ビッグ・ダディ、レッド・ミストのコスチュームは全く別物です。マフィアのボスは風貌も違いますが名前も違います。好みはそれぞれですが、私は映画版のビジュアルイメージの方が好きです。

話の流れは自体には大きな違いはありませんが、全体のトーンはアメコミ版の方が暗い感じで、絵が止まっていることもあってグロい表現はアメコミ版の方が強烈に感じました。キック・アスの葛藤や苦悩はアメコミ版の方が丁寧に描かれていて、アメコミ版の方が物語としての深みを感じます。映画版はアメコミ版に比べると良くも悪くもポップな感じですね。そのポップさが興行的な成功に繋がったのだと思います。

ビッグ・ダディとヒット・ガールの狂った親子愛もアメコミ版の方が濃くなっていて、面白かったです。ビッグ・ダディの出すマニアックなクイズにヒット・ガールが答えるシーンはアメコミ版にももちろんあります。映画版では「ジョン・ウーの最初の長編映画は?」という質問はアメコミ版では「ジョン・ウーの渡米1作目は?」になっていました。さらに、「民主党員の定義は?」というビッグ・ダディの質問に対してヒット・ガールは「赤ん坊を殺す権利のためにデモ行進するくせに、殺人鬼のためならお祈りしてやるクソ野郎ども!」と答えています。サンドバックかまえるビッグ・ダディが「もっと打て!もっともっと強く!こいつをマイケル・ムーアだと思え!」と言っているシーンも笑えました。ビッグ・ダディはリベラルが嫌いな保守、右翼的な人なんですね。

台詞の中でアメコミやアメリカのテレビドラマ、銃器に関する言葉がけっこう出てきますが、特に注釈はありません。映画版でもこの手の台詞はありましたが、アメコミ版の方がよりマニアックになっているように感じました。

映画を見た後にアメコミ版を読んだため、どうしても2つ作品を比べてしまいまた。アメコミ版を先に読んでいたら、また印象も違っていたと思います。表紙の絵をよく見たら、けっこうグロい絵なんですね。映画版なポップなイメージを期待するとトラウマになるかもしれません。


キック・アス (ShoPro Books)

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