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『「週刊ポスト」は大相撲八百長をこう報じてきた 』を読んだ

大相撲技能審査場所は盛り上がっているのでしょうか?

チケットは無料ということでしたが、ネットからの申し込みはサーバーがビジーで接続すらできず、NHKの中継もないので仕方なく『「週刊ポスト」は大相撲八百長をこう報じてきた 』を読んでみました。

1980年から大相撲の八百長問題に鋭く斬り込んできた週刊ポスト。その週刊ポストの記事を1冊の新書にまとめたのがこの本になります。序章では2011年に発覚した今回の八百長事件にも触れていいて、相撲協会の体質やそれを取り巻くマスコミのあり方についても斬り込んでいます。ライバル誌である週刊現代についてちょっと嫌味ぽく書いているところも良かったですね。

私は以前、板井圭介の『中盆』を読んだことがあります。『中盆』はあくまでも板井の個人的な八百長体験に綴ったものに対して、この本は昭和30年代の四季の花から平成の曙の付け人だった高見旺までの大相撲の八百長というか影の部分について報じてきたものになっています。戦後の大相撲の闇の大河ドラマといった感じです。この本に書かれていることが100%真実や事実とは思いませんが、大相撲の抱える問題は昔からさほど変わっていない事は分かります。

八百長についての具体的な方法や、やり取りされる金額については『中盆』や今回発覚した八百長と共通する部分が多く、八百長は今も昔もそれほど変化がないことが分かります。八百長のシステム自体については、それほど新しい発見や驚きみたいなものは感じませんでした。

この本で私が一番面白かったのは元大鳴戸親方の手記でした。ここでは八百長問題の他にもマリファナ、年寄株と脱税、暴力団との交際について実名をあげて具体的に語られています。ここ数年に起こった大相撲の不祥事とかなりの部分で重なるところがあります。この時に膿を出しきれば今の事態には至らなかったのではないかと思ってしまいます。

今回の八百長問題では特別調査委員会は5月18日に最終報告書を放駒理事長に提出、調査は終了したそうです。今回もトカゲ尻尾切りで終わったような感じですね。

大鳴戸親方の手記の主な標的は元横綱の北の富士勝昭。この人は今もNHKの解説をやっています。元々は大鳴戸親方と北の富士は八百長仲間、遊び仲間だったのですが、関係がこじれて、大鳴戸親方が北の富士や相撲協会を告発する形になってしまったようです。ちなみに大鳴戸親方は板井の師匠で、北の富士は千代の富士の師匠です。

大鳴戸親方は週刊ポストにこの告発手記を発表し、外国人記者クラブで講演を行う直前に亡くなっています。それも大鳴戸親方の手記を裏付ける証言を行なってきた橋本成一郎氏と1996年に同じ病院で同じ日に亡くなっています。橋本成一郎氏は北の富士の名古屋の後援会の元副会長で大鳴戸部屋の後援会の会長だった人物。

大鳴戸親方は北の富士について、自分の力で相撲をとっていたら横綱なんかになれない力士で、プロレスラーになっていたかもしれないと言っているところも面白かったですね。国際プロレスのサンダー杉山が栃王山、龍虎、北の富士の三人で1億の支度金出すといっていたという話もしています。この本に登場する、曙は本当にプロレスラーになってしまいましたが。

今回の八百長事件で私がちょっとに違和感を覚えたのは、高見盛は完全にシロと相撲協会も世間も全く疑っていないところです。私は高見盛が嫌いなわけではありません。いいキャラの力士だと思います。しかし、高見盛の成績を改めてじっくり見てみると、非常に微妙なバランスの成績をおさめています。、幕内に定着してから大きく勝ち越すこともありませんが、三場所続けて負け越すこともほとんどありません。エレベーター力士の典型に見えます。でも今場は前頭15枚目なので負け越すと、十両に落ちる可能性があります。11日目で4勝7敗、苦しいですね。頑張れ、高見盛!


新版「週刊ポスト」は大相撲八百長をこう報じてきた 角界の闇に斬り込んだ30年間の取材記録 (小学館101新書)

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