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山本一郎の『情報革命バブルの崩壊』を読んだ

山本一郎という人は「切込隊長」と呼ばれた人で、2ちゃんの西村博之とは友好的な関係だったのですが、裁判で争うような仲になってしまったようです。そんな山本一郎の『情報革命バブルの崩壊』を読んでみました。

インターネット関連の現状や将来の方向性について語っている人と言えば、「ウェブ進化論」の梅田望夫や『ブログ論壇の誕生』佐々木俊と言った人たちが有名ですね。こういった人たちは、ネット関連の新しい技術が明るい未来をきり拓いていくような、楽観的なことを書いています。それに対して山本一郎のこの本では、ネット関連のビジネスモデルは金余りから生じたバブルで、そんなに目新しいものではなかった。そしてネットのもたらす弊害や歪みも拡大していると言っています。くしくも、最近、西村博之も同じような視点から梅田望夫にケンカを売ったりしていました。梅田望夫は全く買うつもりないようですが。

山本一郎は現在、ネットで主流となっている無料を入口としたビジネスモデルは基本的には民放テレビがCMを流すことで無料で視聴させるビジネスモデルと大差はないと語っています。拡大しているように見えるネットの広告も寡占化が進み、大手のポータルサイトしか広告が集まらず、広告費のダンピングも当たり前になっていて、ネットはオープンで公平な場所、あるいはフラットな競争環境が与えられる場所というのはもはや幻想にすぎないと語っています。そして「無料文化」は遅かれ早かれ終焉を迎えるのではないか予言しています。ネットの固定料金もインフラが耐えられなくなってきているため、従量制にもどる可能性もあるとも予言しています。

山本一郎によると日本のネットは貧民の楽園だそうだ。「ネット右翼」、「ネットイナゴ」と呼ばれる、「祭り」や「炎上」を煽ったりする連中は現実社会に身の置き場のないニートや引きこもり、精神的な問題を抱えた患者と語っています。去年の毎日新聞の事件については佐々木俊と全く逆の見解を示しています。毎日の記事はそんなに目くじらを立てる内容ではなく、既存のマスコミに対する反感が根本的な原因と言っています。

倖田來未の「羊水発言」に対する反応も毎日新聞の騒動と基本的に同じ構造で、相手は有名だったり権威がある方がターゲットになりやすいようです。確かに有名人やマスコミのちょっとしたミスを、さも重大な問題のように正義感で断罪していくような風潮が目立ちますね。私は「祭り」や「炎上」を煽る人たちに中国の文化大革命のときに暴れまくった「紅衛兵」みたいなものを感じます。

ホリエモンの逮捕、裁判については、ある意味で国策捜査的な意味合いがあったのではないかと語っています。ホリエモンが拝金主義を煽り、選挙にまで出て、「天皇制はいらない」と発言したのが、空気を読んでいなかったようです。ベンチャー企業の成功者として、おとなしくしておけばよかったのか。しかしホリエモンの有罪だけでは、ホリエモン(ライブドア)のスキームを真似たような粉飾を行っているネット関連のベンチャー企業の問題は解決されないのではないかとも語っています。

ソフトバンクについては、その自転車操業的経営がそろそろ限界を迎えるのではないかと語っています。そして日本の携帯電話のキャリアは結局、旧電電公社と旧第二電電の二つに集約されるのではないかと予言しています。

そう言えば最近、GoogleがPC向けのOSを開発するというニュースがありましたね。Googleのことなので無料のOSということらしいてですね。無料のOSといえばLinuxがすでにあるようですが、GoogleもLinuxをベースにするようですね。すぐにネットに繋げることができることを目指すみたいな感じで紹介されていた気がします。Googleなので広告が入るようなイメージもありますが、Googleのブラウザ「Chrome」には特に広告は表示されことはないですね。私は「Windows 7」よりも「Chrome OS」の方に興味があります。


情報革命バブルの崩壊 (文春新書)
情報革命バブルの崩壊 (文春新書)

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