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『海辺の映画館―キネマの玉手箱』を見た

2020年4月10日に亡くなった大林宣彦監督の遺作、『海辺の映画館―キネマの玉手箱』を見ました。

大林宣彦監督の映画はテレビで『転校生』を見たことがあるくらいです。シネコンは子供向け夏休み映画ばかりになってしまっていて、『インセプション』をIMAXで何回も見るのは辛いので消極的な理由で『海辺の映画館』を選びました。

見て良かったと思える映画でした。肺がんで余命宣告を受けた後に製作が始まり、この映画の公開の前に亡くなってしまった大林宣彦が最後に撮った映画とは思えないほどパワフルでエネルギッシュな映画でした。

閉館するこになった尾道の映画館、瀬戸内キネマの最後の興行は日本の戦争映画のオールナイト上映。瀬戸内キネマで映画を見ていた毬男(厚木拓郎)、鳳介(細山田隆人)、茂(細田善彦)はスクリーンの中の映画の世界に入り込み、幕末の動乱、日中戦争の中国、戦火が迫る沖縄などの世界を彷徨こととなる。そして移動劇団「桜隊」と出会い、8月6日の広島へ向かうこととなるのだが、というお話。上映時間が179分あります。

大林宣彦の映画は確かに凄くクセが強く、見る人を選ぶかも知れません。オープニングのクレジットやナレーションから独特で確かに面食らいました。宇宙船かタイムマシンに乗って最初に登場するのがなぜか高橋幸宏。後で調べてみたら高橋幸宏は『天国にいちばん近い島』、『四月の魚』、『異人たちとの夏』に出ていたんですね。タイムマシンにお願いという感じなんでしょうか。中盤あたりで「ハッピーエンド」というフレーズが繰りかえされるのですが、「はっぴいえんど」は細野晴臣の方です。ちなみに坂本龍一は『戦場のメリークリスマス』。

幕末の坂本龍馬や西郷どんが出てくるパートがけっこうグズグズで夢の中へ落ちてしまいました。日中戦争のエピソードからはしっかりと見ていられました。日中戦争では川島芳子(a.k.a.東洋のマタ・ハリ)も出できました。演じていたのは伊藤歩でした。

毬男、鳳介、茂と斉藤一美(成海璃子)、芳山和子(山崎紘菜)、橘百合子(常盤貴子)、希子(吉田玲)が転生するように戦争映画の世界を行ったり来たり、同じシーンを何度も繰り返したりする所は最初はしつこく感じますが、途中から独特のグルーヴみたいなウネリのように感じられて気持ちよくなってきました。ウォシャウスキー姉弟とトム・ティクヴァが撮った『クラウド アトラス』に話しの構造が似ているようにも感じられました。

移動劇団「桜隊」との出会いから8月6日に向かっていく怒涛の展開は魂を揺さぶられるような気分になりました。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のシャロン・テートのように桜隊になんとか助かって欲しいとも思いました。しかし、映画は過去を変えられないど、映画で未来は変えられかもしれないというのがこの映画メッセージでした。

手塚眞が演じる小津安二郎、犬童一心が演じる山中貞雄が突然出てきたり、阪妻版の『無法松の一生』の少年時代の吉岡敏雄を演じていた沢村アキヲが後の長門裕之であるといった日本映画のトリビアも所々に散りばめられていました。

この映画のヒロイン希子を演じる吉田玲は18歳でこれが映画初出演だそうです。雰囲気的には黒木華みたいな昭和の空気感がある俳優さんでした。TOHOシネマズの幕間のときに登場する山崎紘菜が本編で演技をしているのを初めて見ました。高橋幸宏は最後に少しだけドラムを叩いていました。

映画チラシ『海辺の映画館 キネマの玉手箱』5枚セット+おまけ最新映画チラシ3枚
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