0コメント

『松之丞ひとり~名演集~』を聞いた

神田松之丞の『松之丞ひとり~名演集~』を聞いてみました。神田松之丞は今年の2月に真打ちに昇進し、6代目神田伯山を襲名しています。

神田松之丞を知ったのはラジオクラウドで『問わず語りの松之丞』を偶然聞いたのがきっかけでした。スタンダップコメディをやっているのを生で見たことはありますが講談は生では聞いたことはありません。講談は立川談志が『三方原戦記』を演っているのをCDで聞いたことがあると思っていたら、一龍斎貞水がテレビで怪談を演っているは見たことがあります。

『松之丞ひとり~名演集~』は2枚組のCDで3席の講談と神田松之丞による解説が入っています。1枚目に『慶安太平記・宇津谷峠』と『松之丞CD解説』、2枚目に『慶安太平記・箱根の惨劇』と『村井長庵・雨夜の裏田圃』が収録されています。1席が30分以上あり、『慶安太平記・宇津谷峠』は50分もあります。

落語だと1席はだいたい20分くらいで『芝浜』や『文七元結』のような長いものでも40分くらいなので、講談の1席の長さに驚きました。しかも慶安太平記は連続物で19席もあるそです。

初めて講談のCDを聞いてみて、善人がほとんど出てこない話ばかりで講談はピカレスクロマンやフィルム・ノワールなのかと思ってしまいました。たまたまこのCDに収録されている話がそんな話ばかりだったのではないかと思いますが。

『慶安太平記』は由比正雪による慶安の変をモチーフにした講談で、『宇津谷峠』と『箱根の惨劇』は増上寺の坊さんである伝達が京都の知恩院に2千両を届けに行く話と帰ってくる話。『宇津谷峠』は京都に向かう伝達に常にまとわり付いて来る商人風の怪しい男、甚平とのふたり旅。正体不明の甚平に伝達、そしてこの講談を聞いている側も翻弄されまくる不思議なお話。

『箱根の惨劇』は京都からの帰り道に伝達が箱根で胡麻の蠅を返り討ちにする話で、伝達の怪僧ぶりを目撃した由比正雪が伝達をスカウトするところで終わります。マクラでは由比正雪の人物紹介があり、由比正雪が重瞳だったという説明が出てきます。重瞳とは瞳が2つあることでGoogleで画像検索してみたら、なかなかグロい画像が出てきます。ちなみにデビッド・ボウイは虹彩異色症で左右の目の色が違っていました。ラスト近くの伝達が由比正雪に睨まれるシーンで「カエルに睨まれた蛇」と言っているように聞こえたのは空耳でしょうか?

甚平や胡麻の蠅が伝達に「ご出家さん」と話しかけるところが非常に耳に残りました。帰り道で伝達が料理や酒を5人前たいらげるシーンも非常に印象に残りました。落語はけっこう聞いてきたつもりですが、食事のシーンでここまで印象に残ったものはなかったような気がします。

『村井長庵・雨夜の裏田圃』は村井長庵が実の姪を2人を吉原に売り飛ばし、その母親もやくざ者の三次に殺させるといトンデモない話。長庵は三次に金を払う約束で殺人を依頼するのですが、仕事が終わっても三次には金を払わない。立川談志のCDで『妲己のお百』という話を聞いたことがあるのですがシチュエーションが『村井長庵・雨夜の裏田圃』に非常によく似ていました。ちなみにお百は秋田小僧の重吉に前払いで10両払っていました

松之丞ひとり~名演集~ - 神田松之丞
松之丞ひとり~名演集~ - 神田松之丞

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント