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『からっ風野郎』を見た

角川シネマ有楽町で行われている『若尾文子映画祭 私のすべてを見せてあげる』で増村保造監督、三島由紀夫主演の『からっ風野郎』を見ました。

『からっ風野郎』は1960年公開の作品。三島由紀夫の主演作というのは知っていました。ラストシーンもテレビで見たことがあります。若尾文子よりも三島由紀夫の主演作というところが気になったので見ることにしました。リマスターや4K復元版ではありませんでしたが画質も音声もけっこう良かったです。

昔の映画なのでオープニングタイトルが初めに出て、キャスト、スタッフが流れていきました。主題歌の『からっ風野郎』の作曲とギターが深沢七郎と言うのにまず驚きました。深沢七郎は『風流夢譚』の深沢七郎です。なぜか主題歌は流れていませんでした。

物語は刑務所で懲役がバレーボールをしているシーンから始まります。刑務官に面会があると呼ばだされた三島由紀夫演じる朝比奈武夫はバレーボールに夢中で代わりの懲役を面会に向かわせると面会室で、武夫の身代わりが拳銃で何者かに撃たれてしまう。拳銃を撃ったのは武夫に刺されたことのある相良組の組長が放った刺客だった。『アウトレイジ』みたいにショッキングなスタートでいきなり痺れました。武夫が二代目を務める弱小暴力団と相良組の抗争と若尾子演じる小泉芳江と武夫の恋物語
が絡んでいくという話。

三島由紀夫の演技は思ったほどは酷くはありませんでした。脇を固める役者がけっこう手堅いのに救われている感じは否めません。武夫の叔父貴役の志村喬、武夫の唯一の舎弟役の船越英二、相良組の組長役の根上淳、根上に雇われて武夫を付け狙う殺し屋役の神山繁などが凄く良かったですね。

船越英二の役ははインテリヤクザで武夫とは対称的に器用で世渡りも上手く、それでいて義理堅く武夫や武夫の叔父貴をしっかりと支えていくところが泣けてきました。船越英二と言えば『熱中時代』の校長先生と『暴れん坊将軍』の田之倉孫兵衛くらいしか知らなかったので驚きました。三島由紀夫よりも背が高くスマートで、昔の映画スターという感じでした。

神山繁の殺し役「喘息のマサ」が喘息持ちという設定が面白かったです。薬局で喘息の薬を買うシーンでスネークマンショーの『これなんですか?』みたいな展開にならないかと期待しましたが、そんな展開にはなりませんでした。何よりも神山繁が髪の毛フサフサな時代があったことに驚きました。闇医師役の浜村淳もワンシーンしか出てこないのに強烈な印象を残していきました。

武夫が出所してクラブで歌う女に逢いに行くシーンがあるのですが、ここで登場するのは若尾文子ではなく水谷良重。これは違うと思っていた映画館のモギリの役で若尾文子が登場して、一気に画面の雰囲気が変わってしまいました。中盤あたりまで若尾文子の出番が少なくて、「三島はいいから若尾文子を写せ!」という気分になりました。

三島由紀夫が若尾文子を殴るシーンが何回かあるのが非常にいただけなかったです。三島由紀夫には切腹を申し渡したい気分になりました。武夫がヤクザから足を洗ってカタギになろう旅立つところで喘息のマサに殺されてしまうラストはアメリカン・ニューシネマみたいな終わり方でした。そう言えば、今年は三島由紀夫は没後50年になります。三島由紀夫が出演した映画の特集上映も見てみたいですね。

からっ風野郎 [DVD] - 三島由紀夫, 若尾文子, 川崎敬三, 船越英二, 増村保造
からっ風野郎 [DVD] - 三島由紀夫, 若尾文子, 川崎敬三, 船越英二, 増村保造

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