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『ジョーカー』を見た

トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』を見ました。

ゴッサム・シティに住むアーサー(ホアキン・フェニックス)はピエロの格好でサンドウィッチマンをしたり、小児病院をまわったりしながらコメディアンを目指していた。アーサーには病気の母親がいてアーサー自身も発作的に突然笑い出す障害がありカウンセリングを受けていた。サンドウィッチマンとしての仕事中に店の看板を不良少年に奪われて、さらに袋叩きにあったり、奪われた看板のためにペナルティを給料から取られたりしてしまう。同僚から護身用に渡された拳銃がアーサーの運命を変えていくというお話。

予告は何回も繰り返し見たり、クリームの『ホワイトルーム』がかかるという話は聞いていて、かなり期待していました。実際に見てみたら、確かに期待とおり、評判どおりだと納得できる部分となんとなく引っかかる部分もありました。もちろん、スッキリとしたカタルシスが得られる映画ではないことは見る前から分かっていました。

やはり印象的だったのはアサーの発作で笑いが止まらくシーンです。笑っているのに苦しそうなるがハッキリと分かり何とも複雑な気分になります。

アーサーには次々にに襲ってくる不幸に対して現実的には何も抗う術がなく、妄想の世界に入り込むことで何とか耐えていく所が面白いのですが、見ているこっちもどんどん妄想と現実の境目が分からくなってくるという不思議な映画でした。

心に引っかかりモヤモヤするのはアーサーの境遇やゴッサム・シティの描写が絵空事のフィクションではなくドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥るところかもしれません。アメコミ映画を見ているよりも是枝裕和やケン・ローチの映画を見ているような気分と言ったらいいかもしれません。アーサーの取った行動が社会に思わぬ影響を与えていくところも、今現在、世界で起こっていることと地続きのような気がしてなりません。

『シンゴジラ』が公開された直後にMXテレビの『モーニングCROSS』という番組を見ていたら『シン・ゴジラ』と現実のニュースを結びつけて語るコメンテーターがたくさんいたのですが、『ジョーカー』について語るコメンテーターは司会の堀潤も含めて今の所いないようです。

『タクシードライバー』、『キング・オブ・コメディ』の影響を受けているそうなんですが、私はこの2本とも見たことがありません。

アーサーの母親ペニーは昔、街の大富豪であるトーマス・ウェインの屋敷でメイドとして働いていたことがあり、毎日トーマス宛に手紙を書いていて、ある日アーサーはその手紙を盗み見て、自分がトーマスの隠し子ではないかと思うエピソードがあります。この展開は『ブレードランナー2049』で主人公でレプリカントのKが自分はデッカードとレイチェルの双子の子供の一人なのではと妄想を抱くところを思い出しました。後半の現実と妄想の境目がどんどん曖昧になっていくところは『ブラック・スワン』に近いですね。

サントラというか既存の曲でかかる曲はジャズぽい曲が多かったのには驚きでした。ロバート・デ・ニーロが演じるマレー・フランクリンが司会を務める『マレー・フランクリン・ショー』のテーマ曲はジャズのバンドが生で演奏していました。ジャズがテーマ曲のテレビ番組と言えば大橋巨泉が司会を思い出します。大橋巨泉の司会はマレー・フランクリンに比べるかなり下品ですが。

『ダークナイト』のヒース・レジャーのジョーカーと比べる人もけっこういるようですが、ヒース・レジャーと比べるのはナンセンスだと思います。後半でパトカーの窓から暴動で燃えている街を見てメイクをしたアーサーがニヤリとするシーンはヒース・レジャーのジョーカーをどうしても思い出しましたが。

最後にかかるフランク・シナトラの『That’s Life』がいいですね。フランク・シナトラは『My Way』と『Fly Me to the Moon』くらいしか知りませんでしたが、『That’s Life』もいいですね。歌声もいいけどイントロのオルガが洒落ていますね。

トッド・フィリップスの監督作は『ハングオーバー』と『デュー・デート』を見たことがあります。2作とも何も考えずに笑える映画だったような記憶があります。でも、かなり毒気は強かった気がします。

Joker (Original Soundtrack) - Hildur Guonadottir
Joker (Original Soundtrack) - Hildur Guonadottir

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