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『切腹』を見た

小林正樹監督、仲代達矢主演の1962年公開の『切腹』を見ました。川崎市市民ミュージアムで『現代音楽と日本映画の交差点 1950s-1970s』という特集上映の中の1つとして上映されました。この映画は2011年に三池崇史監督、市川海老蔵主演の『一命』としてリメイクされています。

上映前に学芸員の女性からフィルムが古いので上映中にアクシデントが起こる可能性があるかもしれませんがご了承下さいというようなアナウンスがありました。確かにコマ落ち、音飛びが何箇所かありました。同じ川崎市市民ミュージアムで見た、1937年公開の『人情紙風船』よりもフィルムの状態が悪かったように見えました。

狂言切腹で病気の妻と子供の薬代を稼ぎに井伊家の江戸屋敷に出かけた浪人の千々岩求女が本当に腹を切る羽目になってしまい、その仇を義父の津雲半四郎が討つというお話。

武士道の欺瞞とか封建社会の歪みとかで語られることが多いみたいですが、この映画は「ナメてた相手が実は殺人マシンでした映画」にしか見えませんでした。仲代達矢が演じる津雲半四郎は年寄りの傘張り浪人なのですが、1対1で井伊家の3人の家臣の髷を切り、井伊家で多勢に無勢な戦いでも暴れまくる。後半のアクションと言うか殺陣が素晴らしいすぎましした。仲代達矢の腕をクロスするポーズには痺れました。

リメイク版の『一命』は説明的なセリフや描写をなるべく省き格調高い芸術作品みたいなものを目指したのに対して『切腹』は説明的な描写も多く、多少はクドいと思われる部分もあるのですが、それも一つの味になっているような気もしました。デレデレな感じで孫をあやす仲代達矢の顔がとても良かったのですが、その後の悲劇を思うと複雑な気持ちになりました。

井伊家の家老を斎藤勘解由を三國連太郎、井伊家の家臣の剣豪役の1人には丹波哲郎が演じていました。三國連太郎はアウトローな悪役のイメージがあったので家老という役が意外でしたが、狡猾で嫌味な役を見事に演じていました。

丹波哲郎は仲代達矢と決闘のシーンの緊張感が凄かったですね。前半では丹波哲郎はかなりの長台詞もこなしていましたが、あれもカンペを読んでいたのでしょうか?

仲代達矢の娘役は岩下志麻が演じていました。ほとんどセリフがなく『一命』での満島ひかりはこの役のイメージをそのまま踏襲したようでした。

科特隊のムラマツキャップや昭和仮面ライダーシリーズの立花藤兵衛でお馴染みの小林昭二も井伊家の家臣役で出演していました。

武満徹の音楽は正直、ほとんど印象に残りませんでした。当時としては時代劇には珍しい現代音楽のサウンドトラックだったようですが、今聞くと全く違和感がなかったためかもしれません。

仲代達矢の津雲半四郎を見たとき、『ブレードランナー2049』のジャレッド・レトかと思いました。『ブレードランナー2049』のジャレッド・レトは和服みたいな服も着ていました。

切腹
切腹

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