『バイス』を見た

アダム・マッケイ監督、クリスチャン・ベール主演の『バイス』を見ました。

この映画の主人公はジョージ・W・ブッシュ元大統領の副大統領だったディック・チェイニー。アメリカ大統領が主人公ではなく副大統領が主人公です。

名門イェール大学に入ったもの数ヶ月で中退、しかし恋人で後の奥さんに尻を叩かれて、なんと政界に潜り込み、ドナルド・ラムズフェルドの使いっぱしりをするうち政治力を身に着けて、トントン拍子に出世してョージ・W・ブッシュ大統領の副大統領にるという立身出世の物語。コメディです。むかしの植木等の映画みたいだけど現実の話で割と最近の話なのでかなり生臭い話になっています。

ディック・チェイニーを演じるのはバットマンでブルース・ウェインをやっていたクリスチャン・ベール。『ダークナイト』ではヒース・レジャーのジョーカーが凄く魅力的な悪役でしたがこの映画のディック・チェイニーの悪さは全く別次元で笑えるけど、喰えない悪役で困った感じ。最初は呑気な田舎者だったのが政治の世界に入ってラムズフェルドと奥さんの影響でどんどん暗黒面に染まっていくところが笑えるけどとても不気味。

実際に20キロ太って役作りをしてクリスチャン・ベール役者魂は凄いですね。ジョージ・W・ブッシュを演じたサム・ロックウェルの全く威厳がなく軽い感じが良かったです。コンドリーザ・ライスやコリン・パウエルを演じていた人もすごく似ていました。

平和より自由より正しさより自分の利益のみひたすら追求するチェイニーの姿がとにかく酷くて凄い。自分の権力を拡大させるためなら法解釈も自分のいいように捻じ曲げて、自分の会社の利益のためなら他国に攻めこみ、戦争も起こす。チェイニーだけでなく、日本でもこんな政治はもちろんたくさんいます。そしてなぜかこの手のタイプの人間は悪運が強い。

フライフィッシングのシーンが頻繁に出てきたりエンドロールではフライフィッシングの毛針が出てきます。これを見ていたら亡くなったミッチーこと渡辺美智雄の「毛針発言」を思い出しました。

サム・ロックウェルのジョージ・W・ブッシュが軽くて本当に何も考えていなところは小沢一郎の「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」という発言そのままに見えました。

存命中の人物、しかも政治家の映画を作れちゃうというのが凄いですよね。しかもコメディ。日本でもこんな映画やドラマが見てみたい気がしますが、忖度が働くのでまず不可能ですよね。

クリスチャン・ベールの相手役は今回もエイミー・アダムス。今回はあまり見せ場ありません。なんとなくドイツのメルケル首相に似ているように見えました。メルケル首相の伝記映画を撮るならエイミー・アダムスかなと思いました。

アダム・マッケイの映画は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』も見ています。2回見ました。物語の核心部分が理解できず、サブプライムローンの破綻賭けた人たちが儲けたはずなのに、なんだかモヤモヤとした気分になりました。『マネー・ショート』も『バイス』もとにかく情報量が多くて、面白いけど疲れます。




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