『毒婦。-木嶋佳苗100日裁判傍聴記-』を読んだ

北原みのりの『毒婦。-木嶋佳苗100日裁判傍聴記-』を読んでみました。私が読んだのは文庫版の方で2013年に出版されてものです。

漫画家の鳥飼茜が『5時に夢』にゲストで出ていたときにこの本を紹介しているのを見て読んでみようと思いました。

木嶋佳苗のこの事件が発覚したのが2009年で9月25日に木嶋佳苗は逮捕さていました。当時は「婚活殺人事件」、「婚活大量殺人事件」、「婚活連続殺人事件」として世間を賑わせていました。このブログでもネタにした記憶があります。木嶋佳苗の容姿と特異ななキャラクターが強烈で忘れられない事件です。裁判は2017年に最高裁で死刑が確定しています。

裁判では死刑が確定しているのですが、状況証拠ばかりで決定的な証拠や証言などはありません。特に動機の部分は全く解明されていません。私がこの本を読んでみようと思ったもう一つの理由は当時の疑問がいくつかは解けるかと思ったのですが、逆に謎は深まるばかりでした。

検察側証人として詐欺未遂の被害者が何人か出廷していたのと木嶋佳苗と普通に付き合っていた男性が出廷していたのはこの本で初めて知りました。

詐欺未遂の被害者は木嶋佳苗とホテルに入り、木嶋佳苗の持参したハーブティーを飲むと同時に意識を失い、持っていた現金を抜き取られていました。2回も同じ目に遭った人もいました。木嶋佳苗と普通に付き合っていた男性は木嶋佳苗が逮捕されるまで木嶋佳苗の本名を知らなかったそうです。この事件に登場する男性は揃いも揃って「お人好し」ですね。

プラモデル作りが趣味だっ被害者の男性はプラモデルの話から婚活サイトのことまで母親に話す人だったそうです。そして倹約家で外食はファミレスで2000円までしか使わない人だったそうです。そんな人が木嶋佳苗に470万円も渡していました。この事件に登場する被害者の男性はみんな金払いがとてもいい。セックスしなくても(できなくても)、簡単に金を渡しています。余談ですがプラモデル作りが趣味だっ被害者のブログはまだアクセスできます。

もう一つこの本で驚いたのは事件が起こる前に木嶋佳苗の父親は不審死に近い形で自殺していたことと、木嶋佳苗と母親の関係が幼い頃から悪かったことですね。巻末の北原みのり信田さよ子の対談で母親から性的虐待を受けていたのではないかとう話も出てきています。

婚活詐欺殺人として語られていますが、詐欺の部分は古典的な結婚詐欺とそれほど変わらないような気がします。なりきりセレブという点は古くは伝説の結婚詐欺師クヒオ大佐や元幕下力士の結婚詐欺師が一級建築士を語った事件もありました。最近はやりの国際ロマンス詐欺はクヒオ大佐の系譜にあたります。

真梨幸子の解説で、男性は「虚構」を渇望してそこに足を踏み入れるとなかなか抜け出せなのではと書いています。その「虚構」の具体例としてアイドル、二次元キャラクター、キャバクラと書いていますがこれは女性にもそのま当てはまりますよね。男も女も虚構の中に現実逃避するのはそれほど変わらない気がします。

木嶋佳苗が男を騙すためにまるで保険の外交員のようにマメにメールを出したり、ブログを更新していたという点は共感できます。優秀な保険の外交員も詐欺師もマメさが必要のようです。裁判傍聴したことがある元幕下力士の結婚詐欺師も1日に30~40通メールを送っていと言われていました。



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