NHKスペシャル未解決事件『警察庁長官狙撃事件』を見た

1995年3月30日に起きた国松警察庁長官狙撃事件の警視庁刑事部の捜査についての実録ドラマNHKスペシャル未解決事件『警察庁長官狙撃事件』を見ました。

事件発生当時はこの事件の10日前に起きた地下鉄サリン事件から捜査の撹乱を狙ったオウム真理教の犯行と思われていて、のちにオウム真理教の信者だった警視庁の巡査長が逮捕されたが起訴には至らず2010年に公訴時効を迎え、未解決事件となっています。

2002年に警察庁長官狙撃事件の走査線上に突然現れた名古屋で現金輸送車を襲撃し逮捕された中村泰という男と警視庁刑事部との奇妙な関係について描いています。

中村泰をイッセー尾形、警視庁刑事部の刑事を國村隼が演じていました。イッセー尾形の演技のせいなのか中村泰という人物が非常に魅力的に見えました。『羊たちの沈黙』のレクター博士や『ダークナイト』のジョーカーような雰囲気を感じました。

中村泰は銃の扱い、知識に長けているだけでなく、パスポート、免許証の偽造、不正取得もお手の物で偽装したパスポートでアメリカに行き、貧しいメキシコ移民の母娘を助け、銃の密輸の片棒まで担がせていました。ジェームズ・ボンドやイーサン・ハントみたいな映画の中の人物のように思えますが、冴えないオジサンというのがまた驚きでした。公文書の偽造、不正取得については協力者がいたようです。

中村泰は26歳のときに銀行強盗を計画し職務質問をしようとした警官を射殺し逮捕されて収監されています。収監されていた千葉刑務所では民族派右翼の野村秋介と出会っていたそうです。

公安部長、警視総監を演じた小日向文世の演技も印象深いものがありました。小日向文世はたまに今回みたいな心がどこにあるか分からないような冷たい演技をすることがあります。『アウトレイジ』でのヤクザとズブズブの捜査四課の刑事とは違った不気味さがありました。このドラマを見終わったあとに、ふと中村泰を小日向文世が演じてみても面白ったかもしれないと思い出しました。

未解決事件シリーズのテーマ曲を川井憲次がやっているせいか『機動警察パトレーバー』や『攻殻機動隊』を見ているような気分になりました。特に原による中村の取り調べのシーンは『パト2』の後藤と荒川の対話を思い出しました。警察内部の縄張り争いや上層部からの圧力で捜査にストップがかかるという展開も『パト2』や『攻殻機動隊』みたいな感じでした。警察庁長官狙撃事件はオウムの犯行、そう思わせたい誰かがいたのでしょう。

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