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『野火』を見た

塚本晋也、監督主演の『野火』を見ました。正確には脚本も編集も撮影も製作も塚本晋也がやっています。

舞台は太平洋戦争末期のフィリピンのレイテ島。結核になった田村一等兵は所属している部隊から野戦病院に行くように命じられるが病人や負傷兵で一杯の野戦病院からも面倒見られないから所属する部隊に帰れと言われてしまう。所属する部隊と野戦病院を何度も往復しているうちに田村はフィリピンの原野を一人彷徨う。しばらくすると、敗残兵に出会い行動をともにすることになるのだが・・・、というお話。

知り合いが公開直後にこの映画見て凄い、凄いと言っていたので気にはなっていましたが、なかなか見る機会がありませんでした。早稲田松竹で『バレット・バレエ』との2本立てで見ることができました。

かなり悲惨な戦争映画、戦争のドキュメンタリー映像などけっこう見てきたつもりでしたが『野火』もなかなか衝撃的な映画でした。水木しげるの『総員、玉砕せよ!』、『ゆきゆきて、神軍』に通じるものを感じました。私は大岡昇平の原作を読んだことはありません。『総員、玉砕せよ!』、『ゆきゆきて、神軍』には笑える部分がけっこうありますが、『野火』にはそう言った部分はほぼありませんでした。

人体破壊描写なども低予算ながらもがんばっていたと思います。死体にウジが湧いていたら思ったら死体ではなく生きていたというシーンはかなり衝撃的でした。敗残兵たちが必死に生き抜こうとする姿が壮絶でたまりません。生きるためなら人も食べる。極限状態になったら人間は人間性を捨ててしまう。

そしてリリー・フランキーの演技も強烈でした。リリー・フランキーが出演している映画はけっこう見ています。『ぐるりのこと』、『モテキ』、『凶悪』。『バケモノの子』では声優もやっていました。リリー・フランキーが演じた安田の醸し出す狡猾や妙な優しさとにかく凄かったですね。『クラビアン魂』ではなく『役者魂』を感じました。田村と行動を共にする松永を演じた新人の森優作も良かったですね。

実は塚本晋也が撮った映画を見るのは初めてでした。役者としての塚本晋也は『セクシーボイスアンドロボ』、『ゲゲゲの女房』で見たことがありました。『鉄男 THE BULLET MAN』のサントラはNINのトレント・レズナーが1曲だけ参加していたので持っています。

『バレット・バレエ』は70年代のATG映画みたいな感じで私の趣味ではありませんでした。『野火』と『バレット・バレエ』を比べると『野火』は完成度、エンターテイメント性でも段違いの出来に見えてしまいました。塚本晋也は『バレット・バレエ』の延長上に『野火』があるという様なことをTBSラジオ『Session-22』で語っていました。1959年に公開された市川崑版や原作も読んでみたくなりました。

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