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『百日紅』を見た

杉浦日向子原作、原恵一監督のアニメーション映画『百日紅 Miss HOKUSAI』を見ました。原恵一の前作は実写映画『はじまりのみち』でした今回はアニメです。

浮世絵師のお栄は父の葛飾北斎と狭くて汚い長屋に住み、日々絵を描いて暮らしている。長屋には絵師の池田善次郎、歌川国直などが出入りしにぎやかに暮らしている。お栄には離れて暮らすお猶という生まれつき盲目で病弱な妹がいた。

お栄の日常を縦軸に、お猶との日々、吉原のろくろ首の花魁、お栄が描いた地獄の絵が元でノイローゼになってしまった大店の奥さんのエピソードがはさまる形で映画は進んでいきます。セリフは少なめで、キャラクターが自分の心情をはっきりとセリフで喋ることも多くのないので表向きは非常に淡々とした感じがします。しかし、画面の情報量はかなり多くなっています。江戸の街、両国橋を通る人々、特に物売りの描き方はかなり凝っていました。

お栄は杏、北斎を松重豊、善次郎を濱田岳が演じています。濱田岳は声だけでも存在感があります。北斎の奥さん役は美保純でした。最近の美保純は『5時に夢中』か『あまちゃん』のイメージが強いのですが最初は美保純だとは気がつきませんでした。麻生久美子はろくろ首の花魁の役でしたが、これも気がつきませんでした。『カラフル』の麻生久美子は麻生久美子のままでしたが、今回は声色が変わっていました。

お栄が描いた地獄の絵が起こす騒動は最終的に北斎が解決することになります。子供の絵に親が手を加えて完成させるという展開は落語の『抜け雀』を思い出しました。そう言えば版元の萬字堂の声は落語家の立川談春が当てていました。話の後半で具合が悪くなったお猶のことを案じた北斎の奥さんが「放し鳥売り」に銭を払って雀を逃してやるシーンは落語の『後生鰻』が浮かびました。

この映画を見ていたら80年代に公開された新藤兼人監督の『北斎漫画』という映画の事を思い出しました。『北斎漫画』では北斎を緒形拳、お栄を田中裕子が演じていました。『蛸と海女』を樋口可南子が再現していたので話題なっていました。ソフトバンクの白戸家の元ネタは『北斎漫画』だったわけですな。

主題歌は椎名林檎の『最果てが見たい』でした。この曲はもともと石川さゆりのX-CrossII-』というアルバムに収録されていた曲です。私はこのアルバムを偶然、最近聞ききました。石川さゆりバージョンはアコースティックで穏やかなアレンジになっています。歌詞は不思議なくらいにこの映画にハマっています。公式サイトに椎名林檎がよせたコメントが泣けます。

立川談志的な言い方をすると「江戸の風」を感じる映画でした。

【チラシ2種付映画パンフレット】 『百日紅(さるすべり)〜Miss HOKUSAI〜』 出演(声):杏.高良健吾.麻生久美子

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