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吾妻ひでおの『アル中病棟』を読んだ

吾妻ひでおの『失踪日記2 アル中病棟』を読んでみました。この漫画は2008年の『失踪日記』の続編というか『失踪日記』の中のアル中病棟のエピソードをより細かく綴った漫画です。

家族によってアル中病棟に強制入院させられた吾妻ひでおの実体験が描かれた漫画ですが、前作の『失踪日記』同様に実に淡々とアッケラカンと描かれているため、さらっと1回読んくらいでは深刻さは感じられません。アル中病棟はいい歳をした大人の学校みたいな感じで、学園漫画みたいな感じすらします。

中島らも、鴨志田穣(西原理恵子の旦那)のアル中をモチーフにした小説や映画は以前から読んだり見たりしてきましが、吾妻ひでおの『アル中病棟』が一番淡々として客観的だと感じました。中島らも、鴨志田穣も結局、酒で命を落としてしまったからかもしれません。吾妻ひでおがまたスリップしないという保証はありませんが、この『アル中病棟』を残してくれた意味は大きいですね。中島らも、鴨志田穣の作品も素晴らしいのですが少しセンチメンタルで悲劇的な面があり、自虐的で笑いの要素が少なめな感じが否めません。

『アル中病棟』ではアル中病棟に入院する人々の姿が詳細に描かれています。しかし、あくまでも吾妻ひでおの目を通して描かれているため彼らの詳しい生い立ちや実態については分かりません。その辺が実にもどかしいのですが、吾妻ひでおの良心というかリアリティを感じます。

この漫画を読む限りではやはり入院患者は男性の方が圧倒的に多く、女性は少なめですが存在します。男も女もどうしてアル中になってしまったかという原因については残念ながらこの漫画では詳しく描かれていないのが残念です。この漫画や前作にも登場しててる小林さんという入院患者はアル中という以外は特に問題もなく、むしろ人格者のように描かれている所は不思議です。

アル中病棟を裏で締めている御木本さんという女性患者はキリスト教の教会の密使でアル中病棟を出たあとはハンセン氏病の病院に行ったと書かれています。この辺は実にミステリアスでこれもかなり不思議でした。

その他の入院患者はやはりアル中という感じで色々な意味で壊れている感じの人がいて実に興味深くて面白いですね。現実に自分の近くに居たら面倒くさい人たちばかりですが、漫画のキャラクターだと思うと笑えます。AAと断酒会の違いについても分かります。

10月25日のTBSラジオ『荻上チキ Session-22』できアルコール依存症を取り上げていました。アルコール依存症に苦しんだ小田嶋隆、今まさにアルコール依存症に苦しんでいる中川淳一郎が出演していました。『アル中病棟』についても荻上チキがチラッと触れていました。酒も他の飲み物も受け付けなくなったことがあると語っていた中川淳一郎は『アル中病棟』の中の吾妻ひでおにかなり近いものを感じました。中川淳一郎は今も週に4日酒を飲んでいると言っていました。

相変わらず吾妻ひでおの描く女の子は可愛いです。

失踪日記2 アル中病棟

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