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『俺はまだ本気出してないだけ』を見た

青野春秋原作、福田雄一監督、堤真一主演『俺はまだ本気出してないだけ』を見ました。

原作も全て読みました。映画化が決まって、キャストが発表されたときから、かなり不安な感じがありました。実際に見てみたら、微妙、いやコメディとしてはあまり笑えない映画というのが正直な感想です。原作自体は大爆笑連発の漫画ではなく、オフビート・コメディ的というか脱力系の笑いなんですけどね。

原作は脱力系の笑いと人情噺的なグッと来るエピソードの2本柱で構成されています。しかし、映画版ではグッと来るエピソードが凄く浅い感動話になっていたのが残念でした。特に宮田がパン屋を始めるエピソードが原作とはかけ離れた酷く類型的な感動話になっていのには驚かされました。

堤真一の大黒シズオはビジュアル的には話の進行に従って慣れて行きました。しかし、堤真一のよく通る声と滑舌の良い喋りにはダメな感じがほとんどありませんでした。もう一つ気になったのはシズオが着ているTシャツが妙にカラフルでお洒落だったことですね。シズオTシャツは黒か紺で変な言葉が書いていないと。

その他のキャストにはほとんど違和感はありませんでした。鈴子役の橋本愛、市野沢秀一役の山田孝之、宮田役の生瀬勝久は原作のイメージにかなり近い感じでした。宮田の元妻役は水野美紀でした。水野美紀を映画で見るのは『恋の罠』以来なのですが、生活感が漂う感じでエンドロールで名前が出てくるまで分かりませんでした。

シズオの担当編集者村上役の濱田岳も良かったですね。シズオを生暖かく見守っている感じが出ていました。しかし、この映画で一番残念だったのは村上が女装するシーンがなかったところですね。あのシーンがないと村上がシズオの影響で自分に正直に生きる決意することの説得力がありません。ただ、村上がシズオや自分の仕事を投げ出したようにしか見えませんでした。

村上が去ったあとにシズオの担当になる宇波綾は指原莉乃が演じていました。宇波綾は原作ではかなり重要な役なのでどうなることかと思っていたら、指原が出てくるのはエンドロールも含めて2シーンでセリフも二言だけでした。

『苦役列車』は映画を見たあとで原作を読みました。原作者の西村賢太が映画を気に入っていなかった気持ちが少し分かりました。原作の表面的なエピソードはなぞっているだけで、原作の重要なエッセンスが抜け落ちて「ありがちな青春映画」になってしまっていたのが失敗だと思います。同じ事が『俺はまだ本気出してないだけ』にも感じられます。

否定的な事が多くなりましたがGONTITIのサウンドトラックは良かったですね。90年代にタイムスリップした感は否めませんが。

『宇宙人ポール』、『テッド』、『ハングオーバー!』みたいなコメディ映画を日本でも作れとは言いませんが、せめて『男はつらいよ』みたいなレベルの日本のコメディ映画が見たいですね。そう言えば『俺はまだ本気出してないだけ』は『男はつらいよ』と同じ松竹の配給でした。

映画 俺はまだ本気出してないだけ 本気音楽集

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