『日本最強馬 秘められた血統』を読んだ

吉沢譲治の『日本最強馬 秘められた血統』を読んでみました。

この本のタイトルの日本最強馬とはオルフェーヴルのことで、2012年のオルフェーヴルの第91回凱旋門賞出走前に出版された本です。

日本の競走馬の海外遠征の歴史、凱旋門賞の歴史、日本の競走馬の凱旋門賞挑戦の歴史、そして2011年に解散したメジロ牧場の歴史と日本の競走馬の血統の歴史が書かれています。

第一章のタイトルが「玉砕の山」で、さらに小見出しは「すべてはハクチカラから始まった」となっていて『プロジェクトX』みたいなタイトルです。ちなみに『プロジェクトX』では地方所属でJRAのGⅠを勝ったメイセイオペラが取り上げていました。

ハクチカラは1959年のワシントンバースデーハンデキャップでラウンドテーブルを優勝という快挙をなしとげます。しかし、その後日本馬の海外挑戦はことごとく惨敗を重ね、香港国際カップを勝つフジヤマケンザンが勝つまで36年かかっています。残念ながらフジヤマケンザンについはそんなに詳しく書かれていません。テンポイントでお馴染みの吉田牧場の生産馬でトウカイテイオーと同じ世代でGⅠ勝ちはなかったけど個性的な馬でした。

1972年に結成された日本ホースメンクラブについては初めて知ることがたくさんありました。日本ホースメンクラブはシンボリの和田共弘、メジロの北野豊吉、トウショウの藤田正明、当時ジョッキーだった野平祐二を中心に結成された団体で日本馬のレベルアップ、海外遠征の成功を目指して作られた団体だそうです。

日本ホースメンクラブは残念ながら海外遠征の成功はできませんでしたが、ダンディールート、モガミなどの種牡馬の輸入で血統の進化に貢献しています。モガミはフランス生まれなのになぜ和風な名前なのかという謎がようやく解けました。モガミやダンディールートは日本ホースメンクラブがフランスで走らせて、引退後に日本で種牡馬にしたからでした。ノーザンテースト、リアルシャダイと同じパターンなんですね。ちなみにある第13回のジャパンカップ勝ったレガシーワールドはモガミの産駒です。

ステマ配合のステイゴールドとメジロマックイーンについてももちろん触れられています。「メジロの遺伝子」という章でメジロ牧場の始まりから終わりまでがかなり詳しく書かれています。メジロ牧場がメジロムサシの海外遠征の失敗以降、海外遠征はやめて国内に専念することにしたのは初めて知りました。社台のサンデーサイレンスの成功に関する事ももちろん書かれています。

凱旋門賞の歴史、歴代の優勝馬の話も面白いのですが、日本に種牡馬としてやってきた凱旋門賞馬の話が身近に感じられて面白かったですね。ダンシングブレーヴやトニービンといったところは特に。ダンシングブレーヴが凱旋門賞を勝った時にシリウスシンボリも一緒に走っていたんですね。ダンシングブレーヴはキングヘイロー、キョウエイマーチ、テイエムオーシャンを出しています。

日本人がフランスの凱旋門賞に対して強いこだわりを持っているのは「凱旋門賞」という和訳されたレース名と凱旋門賞を勝った馬の血統に対する憧れから来ているのではないか吉沢譲治は書いています。この本を読むと日本ホースメンクラブの和田共弘、野平祐二の影響が強いのではないかと思います。

最近、IFHA国際競馬統括機関連盟、世界のトップ50GIレースを発表し、1位はイギリスのチャンピオンS、2位はブリーダーズカップ・マイル、3位が凱旋門賞でした。ちなみに日本のレースは10位にジャパンカップが入っていました。

オルフェーヴルと同じステマ配合で去年の皐月賞、菊花賞、有馬記念を勝ったゴールドシップについてはこの本では触れられていません。オルフェーヴルもゴールドシップも今年の初戦を危なげなく勝っていました。春の天皇賞で二頭の激突が見たいですね。1992年のメジロマックイーンとトウカイテイオーの対決の時のように盛り上がると思うのですが。あの頃の春の天皇賞は2着に人気薄が突っ込んでくることはあっても、最近みたいに2桁人気の馬が優勝するようなことはありませんでした。

日本最強馬 秘められた血統

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