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『桂三枝の笑宇宙<01>』を聞いた

去年、六代目桂文枝を襲名した桂三枝の『桂三枝の笑宇宙<01>』を聞いてみました。

私にとって桂三枝はテレビの司会者、あるいはテレビタレントというイメージが強く、落語家という認識はほとんどありません。最近は「創作落語」という言葉が定着してきたようですが、桂三枝が「創作落語」を使い始めたような気がします。「新作落語」ではなく「創作落語」、どのへんに違いがあるのはよく分かりません。

桂三枝は立川談志と仲が良かったという話を聞いたことがあります。談志が一時破門にした快楽亭ブラックを三枝が預っていた時期があるようです。

このCDには『赤とんぼ』と『仲直り』という二席が収録されています。『赤とんぼ』は童謡、唱歌好きの部長と部下の噺で、枕から三枝は童謡、唱歌を歌いまくります。『寝床』と川柳川柳の『ガーコン』とたして『ビルマの竪琴』で割ったような噺です。童謡、唱歌についての薀蓄を歌いながら語りまくる部長のキャラクターに妙なリアリティがあります。童謡、唱歌が学校の教科書から消えていくことを嘆きながら歌いまくるこの部長は三枝自身ではないかと思ったりします。

童謡酒場で酔っ払った部下が『埴生の宿』を歌う所でクライマックスになります。映画『ビルマの竪琴』で『埴生の宿』が使われていて、部下が部長に無理矢理「水島、日本に帰ろう!」と言わせるところが笑えます。酒を飲んでいるうちに立場が逆転するところは『らくだ」を意識しているのかもしれません。

私は『ビルマの竪琴』は見たことがありませんが、「水島、日本に帰ろう!」というシーンだけはなぜか知っています。『桐島、部活やめるってよ』は全く関係ありません。『桐島、日本に帰らないってよ』ということでもありません。

『仲直り』はいい年をしたオヤジのケンカの噺で、聞く前は『笠碁』みたいな噺かと思っていましたが、全然違いました。枕では横山やすしの思い出が語られていて、噺のサゲでは枕が見事に回収されています。

主人公の藤川聡が心筋梗塞で死んで三途の川を渡ってあの世に行くシーンでは三味線の伴奏が入ります。青鬼を見た藤川聡が「アバターみたいや」という所やあの世で坂本龍馬と岩崎弥太郎の握手会をやってるというところが笑えます。どう大河ドラマの『龍馬伝』をやっていたころにこのCDは収録されたみたいです。

正直なところ、このCDを聞く前は三枝の落語なんて、春風亭柳昇や川柳川柳のような古いタイプの新作落語なんだろうと思っていました。しかし、このCDを聞いてみたら噺の構成がしっかりしていて、最近の新作落語とひけをとらない出来で驚きました。さすがに三遊亭白鳥や立川談笑のような勢いはありませんが、『赤とんぼ』も『仲直り』も30分を超える噺で、メリハリが効いていて、ダレるところもほとんどありません。『仲直り』のサゲはホロッとさせられました。

桂三枝の笑宇宙<01>

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