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『私がアイドルだった頃』を読んだ

長谷川昌一の『私がアイドルだった頃』を読んで見ました。この本は長谷川昌一が元アイドルへのインタビューを中心にしたノンフィクションです。登場する元アイドルは安原麗子、濱田のり子、嶋村かおり、木内あきら、名波はるか、吉野紗香、大西結花、新田恵利、宮内知美、栗栖あつこ、矢部美穂、もちづきる美、後藤理沙の13人。

元アイドルへのインタビューと言うと吉田豪の『元アイドル』と『元アイドル2』を以前、読んだことがありまして、吉田豪の『元アイドル』の違いはどんな感じなのかという興味からこの本を読んでみました。

吉田豪の『元アイドル』との大きな違いは『元アイドル』がほぼインタビューのみで構成されていのに対して『私がアイドルだった頃』はインタビューは少なめで長谷川昌一がインタビューを元に書いた文章が中心になっているところですね。

華やかな芸能界、アイドルの裏話的な話は『私がアイドルだった頃』にもあり、『元アイドル』にも負けないくらい悲惨なエピソードもけっこう書かれています。しかし、長谷川昌一の文章が綺麗なためか、それほど悲惨な感じがしません。全体的に、最終的に現在では前向きに、ポジティブに生きている元アイドルたちの姿を描くという基本フォーマットというか、長谷川昌一の姿勢があるためにそう感じさせるのかもしれません。

一番面白かったのはギリギリガールズだったもちずきる美ですね。幼い頃に両親を亡くし、故郷離れ、紡績工場で働きながら定時制高校に通い、オーデションを受けて続け、念願かなってデビュー。ギリギリガールズとして一躍脚光を浴びるがメンバーによるイジメにあったり、メンバーの罠でお笑い芸人に殴られたり。昔の大映テレビや『ブラック・スワン』みたいな感じでした。いや、『ルックルックこんにちは』の『女ののど自慢』の方が近いかな。

安原麗子、濱田のり子は『元アイドル』にも登場していて、当然、話はほぼ同じです。濱田のり子は『元アイドル』の方が面白いですね。『私がアイドルだった頃』は基本的に事務所に対する批判は少なめになっています。

エピローグでは「元祖国民的アイドル」として美空ひばりが取り上げられていたのには違和感がありました。美空ひばりについてはそんなに詳しくはありませんが、美空ひばりは元祖天才子役として語られることはありますが、アイドルとして扱っていているのは初めて読みました。近田春夫が『考えるヒット』で美空ひばりは性的な対象として見られていることはなかったんじゃないかと書いていた記憶があります。近田春夫らしいショッキングな指摘でした。

TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル』に秋元康がゲストで出演していたのを聞きましたが、秋元康の独演会のような感じであまり面白くありませんでした。一番残念だったのは「アイドルのミスリアスで可視化されない幻想」を80年代半ばに壊したのは秋元康自身じゃないかという宇多丸の指摘に秋元康がまともに答えず話が膨らまなかったところですね。アイドルがメタ的な視点で自分自身について歌う、小泉今日子の『なんてったってアイドル』はしっかりと「恋はする」と歌っていました。1985年のことです。ちなみに、小泉今日子の『なんてったってアイドル』の次のシングルは『100%男女交際』なんですね。

私がアイドルだった頃

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