0コメント

立川談之助の『立川流騒動記』を読んだ

立川談志が死んでそろそろ1年になりますね。そんなことはあんまり関係ないけど立川談之助の『立川流騒動記』を読んでみました。

私は立川談之助の落語は1回も聞いたことがありません。立川談之助が書いたものは唐沢俊一+唐沢なをきの落語をモチーフにした漫画『ぞろぞろ』の「あとがきのようなもの」を読んだ記憶があります。『ぞろぞろ』という漫画に出会わなければそれほど落語が好きにならなかった気がします。

ちょっと前に『週刊アスキー』を読んだら唐沢なをきの『電脳なをさん』でiPhone5のプレゼンのネタを落語の『寝床』を下敷きにしてやっていたました。最高でした。改めて唐沢なをきの落語への愛を感じました。

さて談之助の『立川流騒動記』ですが、基本的には弟子である談之助が見続けた立川談志、立川流が綴られています。談志の弟子が書いた本では談春の『赤めだか』、立川流を除名になった快楽亭ブラックの『立川談志の正体』などかありますが、『立川流騒動記』はこれらの本とは違った面白さがあります。

噺は談志が沖縄開発庁の政務次官時代に二日酔いで記者会見を行った騒動から始まりますが、その後は談之助の幼少の頃から現在まで時系列に進んでいます。

この本の一番の特徴は三遊亭円生を中心にした落語協会の分裂騒動と立川流創設の騒動にかなりの分量を割いているところです。快楽亭ブラックも二つの騒動の前に談志の弟子になっていますが、この二つの騒動については詳しくは触れていませんでした。

円生と小さん(彦六)、談志と志ん朝の微妙な力関係とプライドや嫉妬が複雑に絡み合った果てに落語協会は2度の分裂騒動を起こしたように読み取れます。ちょっと大相撲やプロレスの世界に似ているに見えます。男の嫉妬は結構厄介なものですね。

談志の弟子で心底、談志が好きで追いかけ続けたあげく弟子なったという弟子は珍しい方で談之はそっちの方です。快楽亭ブラック、志の輔は特別談志に惚れ込んでの入門ではありません。

談之助と志の輔は明治大学の同級生で同じ落研に所属していました。三宅裕司と渡辺正行は談之助の落研の先輩でその辺のエピソードも書かれています。でもなぜか志の輔の話は多くありません。

談志の話よりも『タイガー&ドラゴン』、『ちりとてんちん』以降の落語の客、今売れている志の輔、喬太郎についての分析や立川流創設以降の弟子達について書いた部分が実はこの本の一番の肝かも知れせん。きっこう鋭く、辛辣内容で、落語ファンとしても色々と考えさせられました。この辺のことは堀井憲一郎や広瀬和生でもちょっと書けないですね。談春を「談志のコピー」とは談志の生きている間だったら恐らく書けなかったと思います。

装丁もいいですね。表紙は髭面の談志が笑顔で右手を上げている写真で、裏表紙も同じ写真で談之助が両手をあげています。談之助の右にはダンカンの姿があります。「あとがき」は唐沢俊一が書いています。

立川流騒動記

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック