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『父・金正日と私 金正男独占告白』を読んだ

東京新聞の記者、五味洋治が書いた『父・金正日と私 金正男独占告白』を読んでみました。

この本はまず装丁が凄いですね。五味洋治が撮った金正男の写真が表紙で、裏表紙は金正日一家の家族写真です。表紙の金正日の迫力に比べて金正日一家の家族写真が普通の家族写真になっているのが非常に不思議な感じです。金正日一家は独裁者のロイヤルファミリーといった威厳はなく写真館や写真屋のサンプル写真のような平凡さです。

2004年に北京国際空港で五味洋治は偶然、金正男と出会い、メールアドレスを交換したことから、2人の交流が始まり、メールのやり取りだけでなく、五味洋治は実際に金正男に対面しインタビューを行った様子がこの本には書かれています。

金正男の北朝鮮の体制に対する鋭い指摘や批判は当然面白いのですが、五味洋治がせっかく掴んだ金正男の関係を切れないように、慎重に言葉を選びながら金正男に質問をぶつけていく様子がスリリングで、サスペンス映画のような恋愛映画のような感じがして面白かったですね。ちなみにメールのやり取りはハングルで行われたそうです

西原理恵子は金正男が新宿二丁目で人気があると書いいましたが、この本で日本語に訳された金正男のメールからはジェントルマンな雰囲気が感じられます。最初に「メール確かに受け取りました。」で始まり、最後は「今日もよい一日を」、「よい週末を」といった言葉でメールを〆ています。

金正男の持つ雰囲気は第66代横綱若乃花勝の花田虎上やボストン・レッドソックスの松坂大輔に似ている気がします。ちなみにマサオとマサルは1971年生まれでした。放蕩息子で長男というキャラも似ている気がします。

金正男はインタビューで日本には5回訪れたことがあるそうです。新橋でおでんを食べたり、新宿の瀬里奈で焼肉を食べたり、熱海の石亭に泊まったこと語っています、高倉健、真田広之の映画をよく見ていたとも語っていました。金正日が高倉健や真田広之のどんな映画を見ていたのが非常に気になりますね五味洋治は金正男のジュネーブの留学時代や妻のことなどけっこうツッコんでいますが、趣味、趣向についてはあまりツッコんでいません。

金正男の腹違いのもう1人の弟である金正哲はエリック・クラプトンのファンで、シンガポールで行われたクラプトンのライブを見に来ていた金正哲の姿がワイドショーで流れていたのを見たことがあります。

アメリカの貧しい黒人の魂の叫びであるブルースをイギリスの白人が演奏して、それを北朝鮮の独裁者の息子が聞く。ちょっと倒錯した感じがしますが、私も別にブルースやソウル、R&Bの背景を気にして聞いているわけではないので、そんなに変わらないですね。

金正日の料理人、藤本健二についても少しだけ触れられています。金正男も藤本健二の料理を食べていて、特に藤本トシラクと呼ばれる藤本健二が作った弁当をよく食べていたそうです。現在の北朝鮮の最高指導者であり、腹違いの弟、金正恩についてはほとんど逢ったことがなく金正恩については藤本健二の方が詳しいのではないかとも語っています。ウィキリークスが俺について書いていることは全部嘘だぜ!とも語っています。

残念なのはこの本を出版したことによって五味洋治と金正男の関係が切れてしまったことですね。五味洋治は一時の功名心から大事なものを失った気がします。


父・金正日と私 金正男独占告白

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この記事へのコメント

  • ゆき

    いつも拝読しています。

    『父・金正日と私』私も気になっていました。
    この本は、日本人拉致について触れていますか?
    教えてください。
    2012年09月29日 21:02
  • dorobune

    ゆきさんコメントありがとうございます。


    『父・金正日と私』では拉致問題についても触れられています。残念ながら、ごく僅かで目新しい情報はありませんでした。
    2012年09月30日 14:14
  • ゆき

    さっそくのご返信ありがとうございます。
    参考にいたします。
    2012年10月02日 13:38
  • dorobune

    どういたしまして~
    2012年10月02日 21:02

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