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『仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル』を読んだ

春日太一の『仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル』を読んでみました。確か5月くらいにTBSラジオ『Dig』で藤木TDCが紹介していました。

日本の大手映画会社である東宝と東映の歴史を辿っていく内容の本です。タイトルは1973年に公開された『仁義なき戦い』と『日本沈没』から来ています。1973年という年を境に日本映画の流れが変わったと著者は書いています。NHKでやっていた『その時歴史が動いた』みたいな感じの本とも言えます。

東映と言えば私の中では『東映まんがまつり』が頭に浮かびます。『長靴をはいた猫 80日間世界一周』ですね。今、東映のアニメと言えば『プリキュア』ですか。その辺の話はこの本にはあまり出てきません。

戦後に誕生した東宝と東映の歩みをダイジェスト的に語っていくような感じの内容の本です。「来なかったのは軍艦だけだ」という東宝争議(労働争議)についてはけっこう詳しく書かれて、興味深いものがありました。当時のスタァ、監督も争議に関係していたので東宝争議を映画化すれば面白いんじゃないかと思いました。

当たればシリーズ化し、映画を量産し続ける東映と大作主義、海外映画の配給にも力を入れる東宝。売れればエロでも暴力でも映画にする東映、あくまでも品行方正で安心して家族で楽しめる東宝。二つの映画会社の非常に対照的なところにスポットを当てているところがこの本の面白いところです。

二つの映画会社の最も大きな違いは、東映は今でも映画製作にこだわっているのに対して東宝は1973年を境に映画製作は縮小し、興行に全力を注いでいるところです。90年代以降、日本映画界は東宝の一人勝ち状態が続いています。実は創業当時から自前の劇場を多数持ち、興行に力を入れるという社風であったこともこの本には書かれています。

ダイジェスト的な内容になっているため、取り上げられている映画はヒット作や大作が中心で、宮崎駿や高畑勲、そして細田守を輩出した東映動画、東映アニメーションについては全く触れられていなかったり、ゴジラシリーズを始めとする東宝特撮映画についてもほとんど触れられていなかったりするところはかなり残念ですね。でも、東宝が『人間革命』、東映が『山口組三代目』を作ったことは書いてあります。東映は幸福の科学のアニメも配給していましたが、このことにはなぜか触れられていません。

しかし、東映が『北京原人 Who are you?』、『RED SHADOW 赤影』、リメイク版『魔界転生』、『千年の恋 ひかる源氏物語』といった大作を製作してどれもコケていることについてはしっかり書いてあります。ちなみに『RED SHADOW 赤影』とリメイク版『魔界転生』には麻生久美子が出ていたはず。

最近の東映は仮面ライダー、プリキュア、戦隊物で儲けて、吉永小百合主演の映画や微妙な漫画の実写映画でその儲けを吐き出しているようなイメージがあります。漫画の実写化で失敗するのは70年代からの東映の伝統かもしれません。『ドカベン』も『デビルマン』も東映です。石原真理子主演の『めぞん一刻』も東映とキティ・フィルムの製作でした。

今年は東映の映画をなぜか多く見ています。『僕達急行 A列車で行こう』、『愛と誠』、『苦役列車』の3本を渋谷TOEIで見ました。土日の昼というけっこういい時間に3本とも見たのですが、3本とも半分も客席は埋まっていませんでした。

渋谷TOEIはネットでチケットの予約ができなかったり、椅子が狭くて固かったり、昔ながらの映画館といった風情があります。2時間を超える映画は背中や腰が痛くなります。メリットは常に空いていることです!

東映創立60周年記念作品『北のカナリヤたち』の特報をやっていました。阪本順治監督で吉永小百合が主演。宮崎あおい、満島ひかり、松田龍平も出ているようです。撮影は木村大作そうです。正直、この映画もコケると思います。同じく吉永小百合主演の『まぼろしの邪馬台国』は客の入りが凄かったという噂を聞いたことがあります。『北のカナリヤたち』は11月3日公開だそうです。是非、渋谷TOEIで見たいと思います。

仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)
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