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『ゴロツキはいつも食卓を襲う』を読んだ

福田里香の『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』を読んでみました。

映画、ドラマ、漫画などの映像表現の中で食事のシーンの扱われ方に着目し、考察したのが福田里香先生が確立した「フード理論」というものです。TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で何度か「フード理論」の特集が放送されています。4月24日には「宮崎アニメのFOOD理論」と題して宮崎駿のアニメの中の食事シーンについて特集していました。

フード理論にはアイザック・アシモフのロボット三原則に習いフード三原則というものがあります。フード三原則とは以下のとおり。

1 善人は、フードをおいしそうに食べる
2 正体不明者は、フードを食べない
3 悪人は、フードを粗末に扱う

この本ではフード理論、フード三原則を踏まえて、「マヌケは、フードを喉に詰まらせて、あせる」、「賄賂は菓子折りの中に忍ばせる」、「カーチェイスで、はね飛ばされるのは、いつも果物屋」、「バナナの皮ですべってころぶ」といったようなベタなシーン、あるあるネタの分析、考察が50入っています。

「バナナの皮ですべってころぶ」というのは定番中の定番、ベタネタの古典中の古典ですが、このネタの起源に迫っているところがこの本の面白いところです。1910年にアメリカのカル・スチュワートというコメディアンが「バナナの皮ですべってころんだ話」をレコードで吹き込んだものがあるそうです。ピチカート・ファイヴの『バナナの皮』という曲について語られているところも面白かったです。

50の例が挙げられていますが、具体的な作品名が挙げられている多くはありません。『2001年宇宙の旅』、エヴァンゲリオンの最終回、モンティ・パイソン、宮崎駿関係はやは比較的おおいですね。「動物に餌を与えるのは善人だ」はもちろんナウシカのことで、その他の宮崎アニメについても幾つかか触れています。

オノ・ナツメのイラストも非常にお洒落でユーモラスで良かったですね。たまに純和風なイラストがあり、落差があって面白かったです。

正直なところステレオタイプな表現を50個並べるというは多すぎると思いました。3分の1くらい読み進めきたところで文字通りお腹いっぱいで食傷気味になりました。

この本を読んで最近見た映画や好きな映画で印象に残る食べ物にまつわるシーンを思い返してみたのですが、以外にも印象的な食事シーンはあまり思い浮かびませんでした。『宇宙人ポール』が早稲田松竹でやっていたのでもう一回見たのですが、印象的な食事シーンはありませんでした。ポールが車で跳ねて死んでしまった小鳥をヒーリングで蘇らせた直後に食べてしまうところは大笑いでしたが。

原恵一監督のアニメ映画『カラフル』は主人公が口にするものの変化がそのまま心の状態の変化に直接リンクした分かりやすいフード理論に基づいた映画でした。

伊丹十三の『タンポポ』はラーメン・ウエスタンでラーメンを中心に食べ物について描いた映画ですが、ステレオタイプな表現がほとんどない映画でした。強いて言えばタンポポの朝ごはんを食べたゴローとガンがタンポポの手助けを始めるところがステレオタイプタイプなところでしょうか。


ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50
ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50

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