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『幕末太陽傳』を観た

デジタル修復版の『幕末太陽傳』を見ました。川島雄三監督、フランキー堺主演の1957年の映画です。

名作、傑作という評判を以前から聞いていたので、デジタル修復版での再上映を非常に楽しみにしていました。実際に見てみたら、傑作とまでは思えませんでした。かなり惜しい作品とは思います。

落語の『居残り佐平次』、『三枚起請』、『品川心中』、『お見立て』を下敷きにしたストーリーで、幕末の品川の遊郭を舞台にしたドタバタ喜劇です。『居残り佐平次』をメインに『三枚起請』、『品川心中』、『お見立て』を絡めていく感じでした。

110分の上映時間がかなり長く感じられました。4つのエピソードは決して多くはないのですが、登場人物の多さも相まって全体的に散漫で間延びしているように感じました。

フランキー堺の佐平次は確かに素晴らしいし、若旦那を演じた梅野泰靖もけっこういい雰囲気で良かったのですが、『三枚起請』、『品川心中』と言った辺りは落語のストーリーをなぞっているだけに見えるのが残念でした。

モノクロ作品ですが、さすがにデジタルリマスター版なので画面には見苦しい部分は全くありませんでした。しかし、問題は音声でした。フランキー堺が演じる主人公の佐平次のセリフはまだ聞き取りやすいのですが、その他の役者のセリフが非常に聞き取りにくい所が非常に気になりました。

音声そのものにはノイズは入っていなのですが、役者のセリフがかなり早口なのとオリジナルの録音のレベルが低いのが聞き取りにくさにつながっている気がしました。『人情紙風船』を見たときにも同じ事を感じましたが、『人情紙風船』の方が聞き取りやすかったと思います。

フランキー堺を演じる佐平次はまさに落語の世界から飛び出てきたようなキャラキターで非常に魅力的でした。基本的には遊郭で無銭飲食を働く詐欺師ですが、口八丁手八丁で遊郭の中のトラブルを解決するアンチヒーローのような魅力があります。寅さんやルパン三世の原型のような気もしました。

石原裕次郎を始めてとする有名な役者が出演しているのもこの映画の魅力です。菅井きんは昔から、老け役をやっていて今とほとんど変わりないように見えるのが驚きです。

岡田真澄は遊郭の若衆の役で出ていましたが、私の中の岡田真澄と全く顔のイメージが違っていたのが驚きでした。

佐平次の居残りを許してしまった若衆たちが遊郭の主人(金子信雄)と女房(山岡久乃)に叱責を受けるシーンで、陰間茶屋にでも売り飛ばそうかという脅すところが笑えました。陰間茶屋とは今で言う2丁目のウリセンバーみたいなものです。

金子信雄は遊郭の主人という役でしたが『仁義無き戦い』シリーズでのエロくて姑息な感じは全くありませんでした。

南田洋子と左幸子のキャットファイトのシーンも素晴らしかったですね。二階建ての遊郭のセットや着物や帯を使った女の戦いはプロレスの場外乱闘みたいで、二人を追いかけるカメラワークも見事で興奮しました。

1月7日に亡くなった二谷英明さんもこの映画に出ていますが、どこに出ていたか分かりませんでした。小林旭も分かりませんでした。

テアトル新宿で見たのですが、前の方に座っていた爺さんが上映中に2回も席を立ってたトイレに行っていたのも印象的でした。


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