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『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』を見た

『ゲゲゲの女房』と2本立てで早稲田松竹で上映されていた『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』を見ました。東陽一監督で、主演は『マイティ・ソー』でハリウッド進出を果たした浅野忠信。

『ゲゲゲの女房』が目当てだったので、この映画は全くのノーマーク、浅野忠信が出ていることぐらいしか知らないまま見ました。2本を比べると『ゲゲゲの女房』よりもこっちの映画の方が面白かったです。意外な拾い物といった感じですね。

この映画は実の母親と元嫁に無理矢理、精神病院のアルコール病棟に入院させられた主人公が、他の4人の患者と力をあわせて精神病院から脱出をはかる、というお話ではありません。浅野忠信はセーラー服を着たり、日本刀を振り回すということもありません。

この映画で浅野忠信が演じている役名は塚原安行となっていますが、西原理恵子の元旦那で亡くなった鴨志田穣でした。なので、この映画は『裏毎日かあさん』みたいな感じの映画みたいなところもあります。メインはアルコール依存症の鴨志田穣の闘病記みたいな話。

アル中というかアルコール依存症の話と言えば中島らもの『今夜、すべてのバーで』や吾妻ひでおの『失踪日記』を思い出します。三つともアル中で入院する話です。三つの中で症状が一番重いのがこの映画でした。冒頭で酒を飲んで自宅のトイレで大量に吐血するシーンはけっこうショッキングでした。

何とか断酒を続けていた塚原が寿司屋でサービスで出された奈良漬を食べたことをきっかけに酒を飲み始めるシーンは妙な説得力がありました。生前の中島らももエッセイで同じような事を書いていたような記憶があります。

精神病院に入院してからの話がこの映画の見所だと思います。最初はアル中の専門の病棟ではなく、他の精神病患者と一緒で女性が多いのには驚きました。この辺のシーンでの入院患者の描きかがちょっと興味本位のステレオタイプな感じで、もう一捻り欲しいですね。女性患者の中に西原理恵子が混じっていました。

内臓がかなり悪くなっている塚原に出される食事はいつもお粥。他の患者がカレーライスを食べている時もお粥。塚原のカレーライスへの欲求が溜まっていく姿がコミカルに描かれていて、私もカレーライスが食べたくなりました。アルコール病棟の医師役の高田聖子と浅野忠信のちょっと奇妙な会話も良かったですね。看護師役の柊瑠美もかわいいいので許します。この人は『千と千尋の神隠し』の千尋の声をやっていた人なんですね。

アルコール病棟のエピソードはドタバタ喜劇のようで基本的に面白いのですが、欲を言えば、アル中患者たちのキャラクターをもう少し掘り下げて、エピソードをもう少し丁寧に描いて欲しかった気がします。頭のおかしいオヤジ達がただ暴れているだけに見えるような所がいくつかありました。(それもそれで面白いのですが)

浅野忠信の演技をちゃんと見たのは今回が初めてのような気がします。自然体の演技が不自然なのではないかという先入観があったのですが、特に違和感なく見ることが出来ました。

永作博美の西原理恵子は(本当の役名は園田由紀)は、どうしてもちょっと痛々しい感じに見えました。一見突き放したような元旦那との関係、でも元旦那の事が心配でたまらないという難しい役所ですらね。残念ながら、気丈に振舞う演技が記号的で取って付けたように見えました。

それにしても、ここ何年か西原理恵子関連の漫画や小説がやたらに実写で映画になったりドラマになったりしていますね。西原理恵子を演じた女優は、この映画の永作博美、小泉今日子、深津絵里、山田優といったところがパッと浮かびました。

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