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『ガンダムと日本人』を読んだ

『宇宙戦艦ヤマト』の実写版『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が話題になったりして、私も映画を見てみたりしましたが、いまひとつグッとくるものや熱くなることがありませんでした。おそらく、ヤマトよりもガンダムの方に思い入れがあるためだと思います。

私はガンダムに関する本についてはけっこう色々と読んでいて、『土田晃之のガンダムにもの申す!』まで読んでみたりしました。最近のガンダム関係の本はアニメの解説や謎本的な内容だけではなく、ガンダムの物語から経営や工業製品の生産管理について学ぶといった内容の本まで出ています。

この『ガンダムと日本人』でガンダムの世界と近現代の日本の姿を重ねあわせるように語られています。以前からジオン軍は第二次世界大戦中のナチスドイツや大日本帝国をモデルにしているという話はあり、もちろんこの本でもそのことについては書かれています。

この本が面白いところはガンダムの1年戦争を「戦前の日本」対「戦後の日本」という図式で見ているところです。「戦前の日本」がジオンで「戦後の日本」が地球連邦にあたります。大東亜共栄圏などの政治思想的なものが戦前の日本とジオンと重なり、工業製品を大量生産する力や行き過ぎた官僚主義の面は戦後の日本の姿と連邦と重なると書かれています。

ザクと零戦、ガンダムと戦艦大和を重ねて語っている第2章は零戦、大和の開発、生産工程の話が非常に分かりやすく、そしてドラマチックに書かれていて『プロジェクトX』を見ているような感じになりました。大和は一品モノで大量生産の技術とは縁のないものと思っていましたが、生産管理を行った西島亮二大佐は部品の標準化を行って生産性を向上させたそうです。その手法は戦後に引き継がれ現在のトヨタの「カンバン方式」にも繋がっているそうです。西島大佐の話をもっと深く知りたくなりました。

大和は青函トンネル、伊勢湾干拓とならんで「昭和三大馬鹿査定などと言われたりしていましたが、技術的な面では現在にも繋がっていて、戦後の高度成長の基礎になっていたとも言えるわけですね。

ガンダムのキャラと実在の人物を重ねあわせ語るところも面白いですね。特にシャア・アズナブルと小沢一郎が似ているという話には驚きました。西寺郷太の持ちネタに「マイケル・ジャクソン、小沢一郎ほぼ同一人物説」というのがありました。シャアと小沢一郎の方はかなり理詰めで語られていて、説得力はあります。それにしてもこの手のネタでは小沢一郎は大人気ですね。小沢一郎がシャアのコスプレしているところを想像してしまいました。名古屋市長の河村たかしがイベントでアムロのコスプレをしているところは見たことがあります。

ガンダムの生みの親の一人でもある富野由悠季の話も面白いのですが、その中に登場する日大の理事長だった古田重二良という人の話も興味深いものがありました。この人についてももう少し深く知りたくなりました。

ガンダムの本というよりも日本の近現代史についての取っ掛かりになるような本のように思えます。『映像の世紀』と『プロジェクトX』をたしてガンダムで割ったような本。田口トモロヲの声で読みながら、BGMには加古隆の『パリは燃えているか』をかけるといいかと思います。


ガンダムと日本人 (文春新書)
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