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『母なる証明』を見た

韓国のポン・ジュノ監督作品、『母なる証明』を見ました。

この映画は去年、タマフルで宇多丸がかなり推していた映画です。たまたま最近見る機会があったの、宇多丸さんが推す韓国映画とはどんなものかと思い見てみました。韓国映画と言うと『風の丘を越えて~西便制』くらいしか私は見たことがありませんでした。

私は韓流ドラマや韓流スターについて全く興味はありません。偏見だと思いますが、なんとなく昔の大映テレビ製作のテレビドラマみたいなものを想像してしまいます。まぁ、最近までそんな感じなので韓国映画も同じようなものだろうとタカをくくっていたました。

しかし、タマフルの「シネマハスラー」で取り上げられていた韓国映画はどうも私が勝手に抱いていたイメージとは違うような感じで、ポン・ジュノ監督、『母なる証明』にいついてはかなりの高評価で、機会があれば見てみたいと感じていました。

『母なる証明』については新鮮な驚きを感じました。宇多丸さんも色々な意味で困った感じでこの映画を語っていましたが、いい意味で不思議な映画でした。

冤罪で逮捕された息子の無実を母親が証明するというこの映画の基本的な物語ははっきり言ってありがちな物語なのですが、話の展開や伏線、登場するキャラクターや絵作り、どれを取っても普通のサスペンス映画、母親の愛を描いた映画と言ったものには収まっていません。

息子の無実を信じるあまりに暴走する母親の姿を描いた物語は過去にもいくらでもありますが、この映画の母親の暴走は尋常ではなく狂っているようで、意外と冷静で、でもやっぱり狂っています。立ち小便をしている息子に無理矢理、薬を飲ますシーンが前半では印象的でした。

絵作りが凝っていると言うか、奇妙というか滑稽で印象深いシーンが多いのもこの映画の特徴ですね。冒頭の母親役のキム・ヘジャが原っぱで踊るシーン、自分を轢いた車のサイドミラーにウォンビンが飛び蹴りを食らわすシーン、雨の中でキム・ヘジャと廃品回収業の男から傘を買うシーンなどがまず頭に浮かびます。殺された女子高生の死体もどこか滑稽で『犬神家の一族』をちょっと思い出しました。

「シネマハスラー」のリスナーからのメールで、立川談志が言う「落語は人間の業の肯定」言葉がこの映画に当てはまるのではというものがありました。私はウォンビンが演じるトジュというキャラクターが落語の与太郎のように見えました。いい年をして定職につかず、ブラブラしていて、ちょっと頭が弱いような感じに見えるのに、不意に確信を突くような鋭い事を言ったりするところが与太郎みたいですねぇ。ラストで母親を親孝行バスツアーに送りだすところも与太郎ぽさを感じました。ポン・ジュノ監督は日本の落語を知っているのか?

韓国映画が面白いのかポン・ジュノ監督の映画が面白いのか、この1本だけでは当然、判断はつきませが、少なくて韓国映画にも面白いものがあるという事は分かりました。


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