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『蟲師 (3)』を読んだ

『蟲師』の3巻目を読んでみました。

この単行本には『錆の鳴く聲』、『海境より』、『重い実』、『硯に棲む白』、『眇の魚』の5つの話が収録されています。どれも非常に完成度が高く、読み応えのある内容でした。

『錆の鳴く聲』はしげという娘の発する声によって村の人々の身体にサビがつき、病んでいくいくという話。しげは自分の声が原因で村人が病んでしまっていることから喋ることができない。ギンコのおかげでしげも村人も救われます。しげの声については「太くかすれた渋みのある残響を持つ、不思議な響きを持つ声」と書かれています。作者のあとがきでは、しげの声のイメージは歌手のUAの声と書いています。

『重い実』は他の村が酷い凶作の年でも豊作になる村の話。他が凶作でもその村が豊作なのは代々の祭主が「ナラズの実」を使っていたからで「ナラズの実」を使うと豊作にはなるが、その村の誰か一人が犠牲になるとい宿命がある。村人たちはそれを「別れ作」と呼んでいる。村全体で飢えるか、誰か一人を犠牲にしても村全体を救うかという命題はNHK教育でやっていた『ハーバート白熱教室』にも出てきそうな話です。祭主はこの命題に長年悩み、妻を「別れ作」のために失っていた。最終的にギンコと祭主が取った手段とその結果は、ちょっとご都合主義的な感じがします。でも、なかなか重くてスリリングな話でいいですね。

『硯に棲む白』はギンコの友人の化野が持っていた硯に触った子供たちが病になるという話。硯職人の女性が蟲が入った石から硯を作ってために、その硯で墨をすると蟲が現れて悪さをするという仕掛け。化野がその硯を手に入れる前にも3人の命の奪ったという曰く付きの硯という設定は、怪談ではよくある設定。なんだか独特の雰囲気を持つ『蟲師』の中では珍しいタイプのエピソードに感じられます。

『眇の魚』はギンコの子供時代ので、ギンコが蟲師になったきっかけが語られています。元々、ギンコはギンコという名前ではなかったことや、どうして片目を失ったかかも説明されています。子供時代の片目を失う前のギンコは他のエピソードに出てくる子供のよう描かれていて、片目を失ってからは髪も白くなってお馴染みのギンコの姿として描かれています。ギンコという名前はトコヤミに住む銀蠱という魚からきているようです。この魚にギンコは片目を取られてしまいます。


蟲師 (3) (アフタヌーンKC)
蟲師 (3)  (アフタヌーンKC)

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