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『ジオン軍の失敗』を読んだ

この本はアニメ『機動戦士ガンダム』のジオン軍のモビルスーツ開発の失敗について書かれた本で、当然、ジュディ・オングの失敗について書かれた本ではありません。ちなみにジュディ・オング資料館は伊豆高原にあるそうです。

この本の著者の岡嶋裕史とは唯の「ガンヲタ」、アニメ関係のライターではなく関東外大学の准教授で専門はWebやネットワークのセキュリティマネージメントだそうです。余談ですが関東学院大学は衆議院議員の小泉進次郎の母校です。

この本はジオン軍のモビルスーツ開発を例にとり、「失敗する製品」が世に出てしまうのはなぜかを説明した本です。ビジネス書の皮を被ったガンダム本のようにも見えますが、ガンダム本の皮をビジネス書にも見えます。実に奇妙な本です。

一つ言えるとしたら、ガンダム好きでもテレビシリーズの全43話をDVDで見て、劇場版の3本を見ただけではこの本を読んでもあまり楽しめないと思います。『ガンダムセンチュリー』や漫画版の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』が好きな人にはお勧めです。

工業製品のスペックは、広義にはその投入されるタイミング、周辺機器まで含めた概念に拡張できる。単体で優秀な数値を誇っても、時期や場所を失した製品は決して成功しない。

これはゲルググに関して書かれた章の結びで書かれたサジェスチョンです。アニメに登場するモビルスーツが私たちの身近にある工業製品のように扱われています。

また、アッガイに関する章では「工業製品にとって低コストは魅力的な訴求要因だが、第一選択すべき要素にはなりえない」というサジェスチョンも書かれている一方、「アッガイに対して『萌なる』感情を抱く大衆がいた事実が判明している」という小ネタもさり気なく脚注に書かれています。その他にもこういった小ネタが所々に散りばめられていたりします。

シャア専用のザクの「通常の三倍」、ジオングの脚に関するエンジニアの「あんなの飾です。偉い人にはそれはわからんのです」というセリフについても深く掘り下げられています。

この本で一つ残念なのは、話がほとんどガンダムの世界の中で完結してしまっているところです。ジオン軍のモビルスーツと実際の工業製品や兵器などもあわせて考えてみると、より立体的で具体的なイメージができるようになったと思います。

ありがちな話ですが、私は第2次世界大戦中のドイツの戦車とジオン軍のモビルスーツの開発過程と比較すると面白いのではないかと以前から思っています。大戦を通して軍馬のような存在だったⅢ号戦車、あるいはⅣ号戦車はザクのイメージと重なります。しかし、Ⅴ戦車がドム、Ⅵ号戦車がゲルググと言うのはちょっと違います。ゲルググの場合は戦車ではなく史上初のジェット戦闘機、メッサーシュミットMe262と言った感じがします。


アフタヌーン新書 006 ジオン軍の失敗
アフタヌーン新書 006 ジオン軍の失敗

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