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『性的なことば』を読んだ

最近の新書のタイトルにしては非常に捻りの無いタイトルですが、新書にしては珍しく446ページもあります。背表紙は凶器にもなりそうなくらい太いです。

「愛人」、「不倫」、「数の子天井」、「花電車」など性的な言葉の語源、時代の移り変わりによる変化などを解説した本です。

けっこう話題になった本でいくつかの週刊誌の書評で取り上げられていました。それらの書評でも指摘されていましたが、語源につては最終的には編者の推測で終わっているものが多くなっています。

井上章一の担当している言葉は「生足」、「チラリズム」、「パンツ」、「ノーズロ」など妙にフェティシズムを感じる言葉が多いのは気のせいでしょうか?

あくまでも性的な言葉を学問的に解き明かす形になっているので、文体は固めです。そんな固い文体で「まんこ」、「すまた」、「ハッテン場」などの言葉が次々に解説されて行く様子は妙なシュールさがあります。『トリビアの泉』のナレーションのような感じですね。些末な事を大上段に構えて大真面目に語るバカバカしさがこの本の魅力です。

「夕ぐれ族」の解説で「愛人バンク」という言葉も同時に解説されていて、これらの言葉が生まれた1980年代にノーベル賞受賞者専用の精子バンクができたのが影響しているのではないか書かれています。今現在、私は「バンク」という言葉を聞くと孫正義の「ソフトバンク」が頭に浮かびます。ソフトバンクが出来たのもこのくらいの時期ではないかと調べみたら1981年の設立でした。「愛人バンク 夕ぐれ族」の登場は1982年だそうです。1980年代前半は「~バンク」という言葉が「なう」な言葉だったようですな。

この本で登場する言葉で一番印象に残ったのは「白袴隊」という言葉です。「白袴隊」とは明治30年代の前半に白昼の東京で10代前半の美少年を狙ってレイプを行っていた硬派不良学生達のことで白い袴を履いていたので文字どおり「白袴隊」と呼ばれたそうです。読みは「しろはかまたい」ではなく「びゃっこたい」。「白袴隊」は主に衆道(男色)の習慣がまだ残っていた薩摩の人間が多かったとも書かれています。鹿児島では男色が男らしいことのようです。昔、中島らものエッセイで鹿児島で出会った婆さんも同じような事を言われたと書かれていた記憶があります。

現代の風俗の乱れを嘆き、昔はいい時代だったよく言いますが、明治時代にホモでショタコンなガチムチな書生達が美少年を手篭めする事件が頻発していたなんて驚きですね。山川純一の漫画のような感じですな。腐女子のみなさんは大喜びでしょうか。

プロ野球の「近畿グレートリングス」(今の福岡ソフトバンクホークス)に関する話も面白いですね。「近畿グレートリングス」の事件以降、近畿という言葉が徐々に使われなくなっていったというのが面白い。「kinky」という言葉が英語で「異常な, 変態の」という理由なのですが。ジャニーズのKinKi Kidsの英語圏へ進出する場合は問題になるも書かれています。

性的なことば (講談社現代新書 2034)
性的なことば (講談社現代新書 2034)

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