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立川キウイの『万年前座僕と師匠・談志の16年』を読んだ

立川流で16年も前座をやっていた立川キウイが書いた『万年前座僕と師匠・談志の16年』を読んでみました。

私は立川キウイの落語を聞いたことはありませ。姿を見るのもこの本の表紙の写真を見たのが初めてです。でも、立川キウイの存在は知っていました。2ちゃんの伝統芸能板には前座なのに立川流のスレとは別に単独でスレが立っていたのを見たことがあります。

私は最近落語や落語家の書いた本をけっこう読んでいるのですが、正直、立川キウイの文章はそんな上手くありません。編集もあまり上手くない感じです。どうせなら口述筆記とかインタビューのような形にした方が良かった気がします。兄弟弟子の談春、志らくにはもちろん及びません。味のある文章とも思えません。16年間前座だったということには非常に納得できます。

この本で感じるのは立川談志のやさしさです。ダメなキウイを3度も破門しても見捨てずに、二つ目にも昇進させているのも凄いいのですが、それ以前に古舘伊知郎に頼んでキウイを古舘伊知郎の付き人にしてもらったりしています。至れり尽くせりという感じさえします。

何度も談志にチャンスを貰いながら、同じような失敗を繰り返すキウイは談志が言う、「バカは力の入れどころが違う」という言葉の意味を実感させてくれます。

キウイは入門時期や年齢が談春、志らくと近いようなのですが、ほとんど談春、志らくの話は出てきません。兄弟弟子のエピソードで出てくるのは左団次の談之助、最後の方に無理やり付け足したように桂文字助の話が入っています。そう言えば談春の『赤めだか」でも出てきた。落語家から宗教家へ転身した談之進(なぜかこの本では名前が伏せられています)のエピソードも書かれています。談之進の話をもっと詳しく知りたい気がします。

一見してダメ人間が必死で頑張る青春感動物語みたいに感じられる部分もありますが、それは錯覚と言う気がします。キウイはただ談志に16年間しがみついていただけという感じがします。そのお陰で新潮社からハードカバーの本が出せるのだから、凄い。腐っても談志の弟子ということですね。

どういった落語家になりたいとか、どんな落語をやりたいといった落語そのものについてキウイが考えたりする部分はこの本には全くありません。談志に叱られてあたふたしたり、破門されて酒に逃げたりするばかりが何度も繰り返されるばかり。

この人は落語家になりたいわけではなく談志の弟子になりたかっただけだと思います。そのくせ落語の世界の業界用語(タレをかく等)がやたらに出てきたりします。落語家の書いた本でこんなに業界用語が出てくる本は初めて読みました。


万年前座僕と師匠・談志の16年
万年前座僕と師匠・談志の16年

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この記事へのコメント

  • アラキンスカイウォーカー

    人の夢は応援しようぜ、サッカーしようぜ
    2010年12月27日 22:07

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