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町山智浩の『アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲』を読んだ

「愛とエロの伝道師」こと町山智浩さんのアメリカのスポーツ事情についてのコラム『アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲』を読んでみました。

この本は7つ章に分かれていて、前半はタイトルからもお分かりの通り、ステロイドをガンガン打つスポーツ選手の話(プロ、アマ問わず)、幼い子供に無理やりスポーツをさせたてプロ選手を目指したりする星一徹みたいな親などのアメリカのスポーツの病んだ姿が書かれています。

ステロイドを常用すると、精神が不安定になり、激怒と絶望の間を激しく揺れ動くようになるそうです。そのため故障や挫折で上手くいかなくなると、他人に危害を加える人や自殺する人もいるそうだ。

中半から後半にかけではグッとくる「いい話」が多くなってきます。史上最高齢の現役女子レスラー「ファビュラス・ムーラー」の話は梶原一騎の『プロレス スーパースター列伝』を読んでいるような感じで非常にワクワクしました。ミッキー・ロークの『レスラー』とは違いハッピー・エンドな話です。映画にして欲しいですね。

映画『ミリオンダラー・ベイビー』でクリント・イーストウッドが演じたカットマンにはモデルがいるそうです。そして原作の小説を書いたのもニュー・ヨークでカットマンをしていたジェリー・ボイドがその人。彼は職を転々としながら小説を書き続けたそうですが、ボツになる日々が続いたそうです。「ボツを食らうたびにノックダウンさせられる。でも、気づくとまた立ち上がりタイプライターと格闘するんだ」という言葉にはさすがにグッときます。根本敬の言う所の「でもやるんだよ」という言葉を思い出しました。そして、60代の終わりにやっと文学誌に掲載された短編が『ミリオンダラー・ベイビー』の元になった短編だったそうです。ジェリー・ボイドは映画の『ミリオンダラー・ベイビー』が完成する前の2002年に亡くなっているそうです。

モハメド・アリのコメントが韻を踏んでいて、ラップのライミングのようになっていたり、ポエムのようだったりとう話も面白いですね。このコラムではもちろん原文の英文も掲載されていています。「From the slave ship to the championship(奴隷船から世界王者へ)」 と言うのが特にいいですね。このコラムでは紹介されていませんが「キャシャサの軌跡」で有名なザイールでのジョー・フレジャーとのタイトルも"Rumble in the jungle"でこれも韻を踏んでいます。

最後のコラムはミッキー・ロークの『レスラー』の話で、『プロレスラーはキリストである』というコラムでこの本は終わっています。これも泣けます。

プロレスやボクシングの話ばかり取り上げましたが、もちろんMLBやNFL、NBAの話、ロケット工学でNASAの協力企業に勤めながらもNFLのチアリダーもやっている女性の話などとにかくアメリカのスポーツに関する面白いコラムが盛りだくさんです。表紙のの花くまゆうさくさんのイラストも素敵です。

アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (SHUEISHA PB SERIES)
アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (SHUEISHA PB SERIES)

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