2コメント

「教養としての〈まんが・アニメ〉」を読む

大塚英志+ササキバラ・ゴウの「教養としての〈まんが・アニメ〉」を読んでみました。

漫画のパートは大塚英志が手塚治虫から岡崎京子まで、アニメのパートはサカキバラ・ゴウが宮崎駿からガイナックスまでそれぞれの分野を体系的かつ独自の切り口で語っています。

専門学校で学生を相手にジュニア小説や漫画の描き方の授業を行っていた大塚英志とササキバラ・ゴウが、そこの生徒の「おたくの基礎知識」のなさを嘆いて書かれた本で、日本の戦後の漫画/アニメの歴史が分かりやすく書かれています。(戦前、戦中の日本の漫画を知りたくなったら「『ジャパニメーション』はなぜ敗れるか」を読んでみてください)

タイトルなどからカタい本だと思われるかもしれませんが内容はアニメ、漫画を扱っているのでそれほど難しいものではありません。(少々、文体が硬いと感じられるかもしれません)逆に教科書的な内容に収まらず、独自の切り口が非常に面白いものとなっています。漫画のパートは手塚治虫→梶原一騎と進んでいく(この順序が普通ありえないと思います)ですが、アトムと星飛馬、天馬博士と星一徹を対比させ、「鉄腕アトム」と「巨人の星」は永遠に親離れできずに大人になれないという父の与えた呪縛との戦いの物語という解釈は非常に刺激的で面白いと思いました。

吾妻ひでおが「おたく/ロリコンまんがの元祖」として取り上げられているの面白いですね。私は吾妻ひでおについては詳しくないのですが、この本を読んで非常に興味が沸きました。「失踪日記」が読んでみたくなりました。

ガンダムの富野由悠季については「海のトリトン」や「ザンボット3」を中心に語られていて、ガンダムに関してはガンプラとマーチャンダイジングの話ばかりで物語や絵についほとんど語られていないのが非常に悲しいというか笑えます。おまけに富野由悠季の章のサブタイトルは「アニメの思春期」となっています。私は別に富野由悠季やガンダムが嫌いと言うわけではありませんが、富野由悠季の作品の中ではガンダムよりむしろザンボット3やインデオンの方がある意味業の深い作品で面白い思います。

新書の分量ではアニメと漫画の歴史を語りつくすのは無理があるのですが、この本はなかなか上手くまとまっている気がします。この本を読んだ後に「『ジャパニメーション』はなぜ敗れるか」を読むとモア・ベターな感じがします。

教養としての〈まんが・アニメ〉 講談社現代新書
教養としての〈まんが・アニメ〉 講談社現代新書

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この記事へのコメント

  • シン

    はじめまして。非常に瑣末な指摘で恐縮なのですが、「サカキバラ・ゴウ」ではなく、「ササキバラ・ゴウ」です。名前を間違えるのはあまりよろしくないと思うので修正のほどよろしくお願いします。
    2007年01月15日 02:57
  • dorobune

    シンさん、ご指摘ありがとうございます。
    修正しました。
    2007年01月15日 21:18

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